トップ
>
唐辛
>
とうがらし
ふりがな文庫
“
唐辛
(
とうがらし
)” の例文
玉江さん暑い時分に
唐辛
(
とうがらし
)
のような刺戟物が
要
(
い
)
るのは暑くなると人の
身体
(
からだ
)
は皮膚へ熱の刺撃を受て内部の血液が皮膚の方へ
聚
(
あつ
)
まります。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
絖
(
ぬめ
)
を漉したやうな日光が、
裏
(
うら
)
の藪から野菜畑、小庭の垣根などに、万遍なく差して、そこに枯れ/\に立つてゐる
唐辛
(
とうがらし
)
が
真赤
(
まつか
)
に
色
(
いろ
)
づいてゐた。
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
足のさきまで、秋の日照りに
冴
(
さ
)
えた
唐辛
(
とうがらし
)
の
莢
(
さや
)
のように鋭く、かっと、輝き出し、彫り込んだように
際
(
きわ
)
立ち、そして瞬間のうちに散ってしまった。
ヒッポドロム
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
喜助は、
唐辛
(
とうがらし
)
でえぶせば、
奴
(
やっこ
)
さん、我慢が出来ずにこんこん云いながら出て来る。出て来た処を取ッちめるがいいと云う。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
初秋の風が吹いて、
唐辛
(
とうがらし
)
が赤くなると、昼間でも、枯枝の落ちた蔭で虫が啼いた。空は水のように青く冴えて、北へと雁が飛んで行くのが見えた。
僧
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
「畜生、」とガヴローシュは言い続けた、「
唐辛
(
とうがらし
)
の
膏薬
(
こうやく
)
みたいなものを着て青眼鏡をかけてるところは、ちょっとお医者様だ。なるほどいいスタイルだ。」
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
紅い鳥が、青い
樹間
(
このま
)
から不意に飛び出した。形は山鳩に似て、
翼
(
つばさ
)
も
口嘴
(
くちばし
)
もみな
深紅
(
しんく
)
である。案内者に問えば、それは俗に
唐辛
(
とうがらし
)
といい、鳴けば必ず雨がふるという。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私達は炬燵の
周囲
(
まわり
)
に集った。隠居は古い炬燵板を取出して、それを
蒲団
(
ふとん
)
の上に載せ、
大丼
(
おおどんぶり
)
に
菎蒻
(
こんにゃく
)
と油揚の煮付を盛って出した。小皿には
唐辛
(
とうがらし
)
の袋をも添えて出した。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その
傍
(
かたわら
)
に
小店
(
こみせ
)
一軒、軒には
草鞋
(
わらじ
)
をぶら下げたり、土間には大根を土のまま、
煤
(
すす
)
けた天井には
唐辛
(
とうがらし
)
。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
吾々は皆
雑鬧
(
ざっとう
)
の中へと入った。どこの市でも魚を売る。鼻を
衝
(
つ
)
くのはうれかかった
赤鱏
(
あかえい
)
の猛臭である。
壺
(
つぼ
)
の中にはその切り身の塩漬けが
唐辛
(
とうがらし
)
に色を染めて、人々を集めている。
全羅紀行
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
行く行く彼らは土人の部落——すなわち部落へ
到着
(
ゆきつ
)
くごとに飾り玉や玩具を出して見せて彼らの食料と交換した。米や野菜や鶏や卵や
唐辛
(
とうがらし
)
または芭蕉の実やココアなどと貿易したのである。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
余
(
あんま
)
り早過ぎたので、動物の方を見物に廻った。パンに
唐辛
(
とうがらし
)
を入れて猿に喰わせたら、
嚏
(
くさめ
)
をして
可笑
(
おか
)
しかった。もう少しやろうとしていると、番人が来て大変怒ったから、乃公達は象の方へ行った。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
時雨るゝや古き
軒端
(
のきば
)
の
唐辛
(
とうがらし
)
炉柴
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
唐辛
(
とうがらし
)
が出来る時分には辛味のお料理が身体に必要ですし、梅の実のなる時分は人の身体に最も
酸味
(
すみ
)
を要する時だと申します。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
きのこ、豆、
唐辛
(
とうがらし
)
、
紫蘇
(
しそ
)
なぞが障子の外の縁に
乾
(
ほ
)
してあるようなところだ。気の置けない家だ。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
乾きて
黄
(
きいろ
)
き
Toboso
(
トボソ
)
の谷の、身も焼けぬべきそゞろ歩きよ。
唐辛
(
とうがらし
)
の紅色と、
黄橙
(
おらんじ
)
の
焔
(
ほのお
)
の色に、絹の
衣裳
(
いしょう
)
を染めなして、
音
(
おと
)
騒がしき
西班牙
(
エスパンユ
)
の、いらだつ舞ひのとゞろきや。又われは聞かずや。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
お銀はそう言っては
唐辛
(
とうがらし
)
を少しずつ乳首になすりつけた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
また
唐辛
(
とうがらし
)
一つと
昆布
(
こぶ
)
とを一緒に入れ長く湯煮ても唐辛で竹の子のエガ味がとれますし、昆布で竹の子が柔になります。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
切ってお
刺身
(
さしみ
)
のように薄く切って酢味噌で食べれば茄子のお刺身ですし、一度油で揚げてそれからまた
煮汁
(
だし
)
と
唐辛
(
とうがらし
)
を
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
小匙一杯半塩少しと
唐辛
(
とうがらし
)
極く少しと胡椒少しとを加えて
摺卸
(
すりおろ
)
したチースを大匙二杯入れて混ぜてまたメリケン粉を大匙五杯混ぜてそれへ牛乳を
好
(
い
)
い
加減
(
かげん
)
に
注
(
さ
)
して煉り
展
(
のば
)
します。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
唐
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
辛
常用漢字
中学
部首:⾟
7画
“唐辛”で始まる語句
唐辛子
唐辛子屋
唐辛奴
唐辛子粉
唐辛子調