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周到
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しうたう
喬木が
遮り
立つて
其の
梢に
蒼い
空を
見せて
居る
庭へすら
疾風の
驚くべき
周到な
手が
袋の
口を
解いて
倒にしたやうに
埃が
滿ちてさら/\と
沈んだ。
その
儘の
座敷牢縁の
障子の
開閉にも
乳母が
見張りの
目は
離れず
況してや
勘藏が
注意周到翼あらば
知らぬこと
飛ぶ
鳥ならぬ
身に
何方ぬけ
出でん
隙もなしあはれ
刄物一つ
手に
入れたや
處は
異れど
同じ
道に
後れはせじの
娘の
目色見てとる
運平が
氣遣はしさ
錦野との
縁談も
今が
今と
運びし
中に
此こと
知られなば
皆畫餠なるべし
包まるゝだけは