よし)” の例文
第二の鳥居にはよしちやんの身のたけほどある大きな人形が、立派な洋服を着て立つてをりました。吉ちやんが自動車から出るのを見ると
夢の国 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
其の頃葭葦よしあしえて居たのを埋立うめたったから葭原よしわらというのだが、後に江戸繁昌を祝してよしの字を書いて、吉原と読ませるんだという事を聞いてるが
「きたことはない。きょうはよしちゃんが、いっしょだから、ぼくきたんだよ。」と、きよちゃんは、気強きづよかったのです。
父親と自転車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
私のうちには、その片腕の熊さんや、赤褌あかべことよさんやら、たわし売りのおよしさんやら、灰買いのじゅうどんなどがいた。
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
「相変わらず、よしさんを洗っておるかの? じゃが、からだは人に洗わせることはできても、心は人に洗ってもらうわけにはゆかんからナ、アッハッハ」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
熊次郎、おいく、茂吉、青根入湯にゆく。八月十三日、大雨降り大川の橋ながれ。八月十四日。天気よし。熊次郎、おいく、茂吉三人青根入湯がへり。八月廿三日。天気吉。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
ハツとおもふはればかり、わざとつくるかまこと見忘みわすれてからずがほかれて、ろすむねにむら/\とかんじるはさても人情にんじやうこそうすきものなれかみといはゞよしがみえすいたやうななかなり
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
秋作はことごとくよし、ただし春の詰まりに秋けれども、物も作らぬ者いよいよ明けし春までも貧なり。この年半ばの頃よりも年号替わるなり云々とありて、永正四丁卯ひのとう、弥勒二年丁卯と並べ掲ぐ。
半吉ででもある事か、おおいよしは、主税に取って、一向に芽出度めでたくない。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「なぜさ?」とおよし——岡八の女房——怒ったようにきき返した。
染吉の朱盆 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
よしちやんは机について学課のおさらへをしてをりました。障子の立つてゐる室の内は、薄暗くて、まるで夕暮の様でした。
夢の国 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
「ま、よく心を洗うように、泰軒がよろしくと言うておったと、よしさんにつたえてくれい」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
天気よし。茂吉直吉おみゑ上山かみのやま行。九銭茂吉筆代。十月廿一日。天気よし。七銭茂吉下駄代げただい。廿二日。天気吉。広吉茂吉は半郷学校え天子てんし様のシヤシン下るに付而行ついてゆく。熊次郎紙つき。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
になわれてくるので、近所の人達や、たわし売りのおよしさんや、灰買いのじゅうどんや、片腕の熊さんなどが、あるものは飯を持って帰ってから引返して来るもの、るものは、あがかまちにならんで腰をかけて
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
男金女土おとこかねおんなつちおおいよし、子五人か九人あり衣食満ち富貴ふっきにして——
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこで市長はよしちやんを大きな広間につれて行つて、沢山な御馳走ごちさうをしました。電燈がぴかぴかと宝石にうつつて輝き、オーケストラの音楽が鳴りひゞく。
夢の国 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
よしさんが日本六十余州の将軍なら、この泰軒はトンガリ長屋の大将軍じゃ、ハハハハハ
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
天気よし。吉野町より、朝六時吉野山のぼり、午前十一時吉野駅発。高野口かうやぐち駅え午後一時三十分著。これより五十丁つめ三里高野山え上り、午後八時頃北室院に著。一円、吉野町宿料払。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
両国で日本一太郎と同じ小屋にいたよしという若い者や、香具師の手から手としじゅう渡り歩いている連中二、三人、木戸番やら道具方やらが来ていて、それらは客席に煎餅蒲団せんべいぶとんをならべて
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)