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めしつかい
ふりがな文庫
“
召使
(
めしつかい
)” の例文
「それはいかにもつらいことです。なにぶん
忠義
(
ちゅうぎ
)
な
召使
(
めしつかい
)
でしたから。」こう影はいって、ためいきをつくようなふうをしました。
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そして、三十メートルばかり歩いていると、一人の
召使
(
めしつかい
)
が追っかけて来て、後からヒンドバッドの肩をたたきました。そして
アラビヤンナイト:04 四、船乗シンドバッド
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
斯
(
こ
)
う
云
(
い
)
われても
嘘
(
うそ
)
とは云いません。しかし家の
内
(
なか
)
では実に私は一平の
召使
(
めしつかい
)
のような働きをする時がいくらもあるのですから。
家庭愛増進術:――型でなしに
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
姉崎未亡人は、夫の病死以来
召使
(
めしつかい
)
の人数も減らして、広い邸に中学二年生の一人息子と書生と女中の四人切りで住んでいた。
悪霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
広大な庭を持った
白堊
(
はくあ
)
の洋館には、長年の痛風症に悩む老子爵と、十八になる孫娘の志津子、それに執事の
苅田
(
かりた
)
平吉と三名の
召使
(
めしつかい
)
が住んでいた。
海浜荘の殺人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
本家は、大家族で、隠居を
頭
(
かしら
)
に、当主夫婦、
跡継
(
あとつ
)
ぎの孫夫婦に子供たち、それに嫁入り前の孫娘たちに
召使
(
めしつかい
)
を入れると二十人からの賑やかさだった。
万年青
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
または三井とか岩崎とかいう
豪商
(
ごうしょう
)
が、私を嫌うというだけの意味で、私の家の
召使
(
めしつかい
)
を買収して事ごとに私に反抗させたなら、これまたどんなものでしょう。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「このいのししに
化
(
ば
)
けて出たのは、まさか山の神ではあるまい。神の
召使
(
めしつかい
)
の者であろう。こんなやつは今殺さなくとも、かえりにしとめてやればたくさんである」
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
追
(
お
)
い立てるようではあるが、ここの
館
(
やかた
)
は
召使
(
めしつかい
)
どもも多いことゆえ、夜明けをまって一
刻
(
こく
)
もはやく嵯峨へお身を落ちつけあそばしたほうがよい、麿から阿闍梨どのへ
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ちょうど
召使
(
めしつかい
)
がそこいらに
多勢
(
おおぜい
)
いましたので、お医者さんはその人たちに言いつけて、できるだけ早く寝台をぐるりとまわして、死神が足のそばに立つような
向
(
む
)
きになおしました。
死神の名づけ親(第二話)
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
お浪の家は村で
指折
(
ゆびおり
)
の
財産
(
しんだい
)
よしであるが、
不幸
(
ふしあわせ
)
に
家族
(
ひと
)
が少くって今ではお浪とその母とばかりになっているので、
召使
(
めしつかい
)
も居れば
傭
(
やとい
)
の
男女
(
おとこおんな
)
も
出入
(
ではい
)
りするから朝夕などは
賑
(
にぎや
)
かであるが
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
するとまた
向
(
む
)
こうから一つ、
女車
(
おんなぐるま
)
が
来
(
き
)
ました。こんどは
前
(
まえ
)
のよりもいっそう
身分
(
みぶん
)
の
高
(
たか
)
い人が、おしのびでおまいりに
来
(
き
)
たものとみえて、
大
(
おお
)
ぜいの
侍
(
さむらい
)
や、
召使
(
めしつかい
)
の女などがお
供
(
とも
)
についていました。
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
狗畜生
(
いぬちくしょう
)
、やい手前はな父を討ったに相違ない、手前は
召使
(
めしつかい
)
の菊を殺し、又家来林藏も
斬殺
(
きりころ
)
し、其の上ならず不義密通だと云って
宿
(
やど
)
へ死骸を下げたが、其の
前々
(
まえ/\
)
菊が悪事の段々を細かに書いて
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
病んでいるらしきは大方昼間の様子にても知れたりかつ右の頬と左の頬と熱も違えば脹れ加減も違うことは蹠にてもよく分るなりさほど苦しくば正直に云うたらよろしからん妾とても
召使
(
めしつかい
)
を
労
(
いた
)
わる道を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
よく
召使
(
めしつかい
)
の
仕着
(
しきせ
)
に、じぶんの
着料
(
きりょう
)
よりもじょうとうな布をもちいるものがありますが、わたくしもじぶんの影を人間にしたててあるのです。
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
と思っていると、天井からスルスルと
縄梯子
(
なわばしご
)
が下り、それを伝って、一人の
小女
(
こおんな
)
が降りて来たが、
召使
(
めしつかい
)
であろう。彼に一礼してその場を立去った。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
この女はカシムの
召使
(
めしつかい
)
の中でも、一番りこう者でありました。
アラビヤンナイト:03 三、アリ・ババと四十人のどろぼう
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「じゃあおばさんは、吉野太夫っていう人の
召使
(
めしつかい
)
なの」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのとき命がおつれになっていたお
召使
(
めしつかい
)
の
弟橘媛
(
おとたちばなひめ
)
は
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
それから、ふたりは口ばたに
肝油
(
かんゆ
)
をぬって、よくすべるようにしました。
召使
(
めしつかい
)
の者はみんな中庭へ出て、ふたりがウマに乗るのを見ていました。
のろまのハンス:――むかしばなしの再話――
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それから結城家の人々(
召使
(
めしつかい
)
も)赤井さん、私、其他来客一同が質問を受けたが、誰も別段変った答えをしなかった。
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
おつきの
召使
(
めしつかい
)
たちも、さっさと、出ていって、皇帝のことをおしゃべりしていました。
女官
(
にょかん
)
たちはといえば、にぎやかなお茶の会を開いていました。
ナイチンゲール
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
彦太郎は伯爵家の
召使
(
めしつかい
)
達と一緒にぼんやりとその有様を眺めていた。彼は余りのことに思考力を失って了って、その時まで、まだ何事も気附かないでいたのだ。
夢遊病者の死
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そこへ制服を着た
召使
(
めしつかい
)
が、ふたりやってきて、モミの木を、大きな美しい広間の中へ運びこみました。まわりのかべには、
肖像画
(
しょうぞうが
)
がかかっていました。
モミの木
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
といった感じであった。彼は肉親の父親に対しても、
家
(
うち
)
の
召使
(
めしつかい
)
に対しても、時とすると母親に対してさえ、この不可思議な
羞恥
(
しゅうち
)
を感じた。
随
(
したが
)
って彼は人間を避けた。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
わしは、
召使
(
めしつかい
)
共の蔭口もかまわず、風呂の立つのを待ちかねる、痴漢となり果ててしまった。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
あなたなんて、ただの
召使
(
めしつかい
)
よ。あたしはね、あなたが来るまえに、もうずいぶん、あなたの親類をつかっているのよ。ガチョウ一家のものも、イギリスの工場から来たものもよ。
ペンとインキつぼ
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
でも、散歩に行くときにも、十二人の
召使
(
めしつかい
)
がおともについていくのです。おまけに、召使たちは絹のリボンをナイチンゲールの足にゆわえつけて、それをしっかりと持っているのです。
ナイチンゲール
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
老婦人は
息子
(
むすこ
)
と
召使
(
めしつかい
)
たちに親しげにうなずいてみせました。それから、人々は老婦人を
狭
(
せま
)
い暗い
小路
(
こうじ
)
の中の、とある小さな家へ運んで行きました。そこにこの老婦人は住んでいました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
召
常用漢字
中学
部首:⼝
5画
使
常用漢字
小3
部首:⼈
8画
“召使”で始まる語句
召使共