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はんま
ふりがな文庫
“
半間
(
はんま
)” の例文
嚔
(
くしゃみ
)
の
出損
(
でそこな
)
った顔をしたが、
半間
(
はんま
)
に手を留めて、
腸
(
はらわた
)
のごとく
手拭
(
てぬぐい
)
を手繰り出して、
蝦蟇口
(
がまぐち
)
の紐に
搦
(
から
)
むので、よじって
俯
(
うつ
)
むけに額を
拭
(
ふ
)
いた。
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
少し人間は
半間
(
はんま
)
ですが、案外鼻の利く八五郎に、少しでも事件を扱わせて、行く行く立派な御用聞に仕立ててやろうという平次の腹でしょう。
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
人間様の方は賄賂が効くさうだが、俺達の方ぢやア
迚
(
とて
)
も駄目だよ。握飯で騙されるやうな
半間
(
はんま
)
な犬が
此節
(
このせつ
)
がら有るものか。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
その
態
(
てい
)
を眺めると、ふだんはドジだの
半間
(
はんま
)
だのと馬春堂を道具に使っている道中師の伊兵衛も、少し哀れを感じたように
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
母「此の野郎は遣り損って足へ小柄を刺されて、痛くって逃げる事が出来ねえ、本当に
半間
(
はんま
)
な野郎で仕様がねえよ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
彼らは
固
(
もと
)
より不正な人間ではない。正道を踏んで働けるだけ働いたのだ。しかし
耶蘇教
(
ヤソきょう
)
の神様も存外
半間
(
はんま
)
なもので、こういう時にちょっと人を助けてやる事を知らない。
倫敦消息
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「大飯を喰うから頭が
半間
(
はんま
)
になるんだ。おさんどん見たいに
頬
(
ほっ
)
ペタばかり赤くしやがって……」
あやかしの鼓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
突然午後の四時頃
半間
(
はんま
)
な時間を計って、わざと音せぬように格子戸を明けながら家の様子を窺うと下座敷には老婢も誰もいないので、慶三は見知らぬ他人の家へでも
忍入
(
しのびい
)
るように
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「へえ、甲州から参りました」そのいう事が
半間
(
はんま
)
であった。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「勝手にしろ、——
褌
(
ふんどし
)
を嫌いな男碁は強し——てな、
川柳点
(
せんりゅうてん
)
にある通り、碁の強いのは
半間
(
はんま
)
な野郎に限ったものさ」
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
また
抜
(
ぬ
)
けだされたら
虻蜂
(
あぶはち
)
とらずじゃ、ええ、あの
半間
(
はんま
)
の
燕作
(
えんさく
)
のやつ、いったいどこへいってしまったのだろう
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とこう思っての、
密
(
そっ
)
と
負
(
おぶ
)
って来て届かねえ介抱をしてみたが、いや
半間
(
はんま
)
な手が届いたのもお
前
(
めえ
)
の運よ、こりゃ
天道様
(
てんとうさま
)
のお
情
(
なさけ
)
というもんじゃ、無駄にしては相済まぬ。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何しろ鉄の
才槌
(
さいづち
)
を双方の足へ
縛
(
しば
)
り附けて歩いてるんだから、敏活の行動は出来ないはずだ。あの白い眼にじりじりやられたのも、
満更
(
まんざら
)
持前の
半間
(
はんま
)
からばかり来たとも云えまい。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「間抜けめえ。
船長
(
おやじ
)
がソンナ
半間
(
はんま
)
な処へ船を
遣
(
や
)
るもんけえ」
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
半間
(
はんま
)
な面だなア、面が半間だから云う事まで半間だア
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ガラッ八の
半間
(
はんま
)
な調子と、それを精いっぱい尤もらしくする言葉に、相沢半之丞も少しうんざりしております。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
着物を引っかけて、外へ出ると、坊主頭へ濡れ手拭を
畳
(
たた
)
んでのせた。昼遊びの太鼓が、トコトン、トコトンと
半間
(
はんま
)
な音をどこかの二階でさせている。露八は、舌うちをして
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それを無理矢理に
体裁
(
ていさい
)
を
繕
(
つく
)
ろって
半間
(
はんま
)
に調子を合せようとするとせっかくの
慰藉
(
いしゃ
)
的好意が水泡と変化するのみならず、時には思いも寄らぬ結果を呈出して熱湯とまで
沸騰
(
ふっとう
)
する事がある。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
辻町糸七の
外套
(
がいとう
)
の袖から
半間
(
はんま
)
な
面
(
つら
)
を出した昼間の提灯は、松風に
颯
(
さっ
)
と誘われて、いま二葉三葉散りかかる、折からの
緋葉
(
もみじ
)
も
灯
(
とも
)
れず、ぽかぽかと暖い磴の
小草
(
こぐさ
)
の日だまりに、あだ白けて、のびれば
欠伸
(
あくび
)
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
痩
(
や
)
せてヒヨロヒヨロで、青白くて面長で、まことに見る影もない男ですが、人間はそんなに
半間
(
はんま
)
ではないらしく、物言ひなどはなか/\ハキハキしてをります。
銭形平次捕物控:230 艶妻伝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そうよ。俺もずいぶん
半間
(
はんま
)
だったが、弦之丞様も弦之丞様だ。松平様のお屋敷に呼ばれて、常木様と三人で、コッソリ相談をきめるとすぐに、代々木荘から夜にまぎれて、甲州街道を
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と云つて、此後悔を
予期
(
よき
)
して、無理に応急の返事を、左も自然らしく得意に
吐
(
は
)
き散らす程に軽薄ではなかつた。だから
只
(
たゞ
)
黙
(
だま
)
つてゐる。さうして
黙
(
だま
)
つてゐる事が如何にも
半間
(
はんま
)
であると自覚してゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ありゃ馬鹿ですよ、私をどうかするつもりでいるんでしょう、——あんな
半間
(
はんま
)
な
庇
(
かば
)
い立てなんかして」
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あれは呂宋兵衛が、
水気魚陰
(
すいきぎょいん
)
の法をかけて、てめえたちみてえな
半間
(
はんま
)
なやつの目をくらましたのだ。しかし、魚はちょうど船へ
跳
(
は
)
ねこんだほんものだそうだから、安心して料理するがいい」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうして黙っていることがいかにも
半間
(
はんま
)
であると自覚している。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
八五郎がいふ通り、加納屋の甥の房吉の樣子は、かなり
半間
(
はんま
)
で不調和のものですが、それが生眞面目な性格の表象のやうな氣がして、お品の心持では、笑ふ氣などにはなれなかつたのです。
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
するような、
半間
(
はんま
)
な長脇差は江戸にゃあいねえぞっ
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
半間
(
はんま
)
な声がひびいてくる。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とられる
半間
(
はんま
)
に
盗
(
と
)
る
利口
(
りこう
)
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
半
常用漢字
小2
部首:⼗
5画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
“半”で始まる語句
半
半分
半刻
半纏
半襟
半纒
半身
半年
半切
半歳