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いたり
隱し夜半頃新町橋に
到て
待受たり彌七は斯る事とは
夢にも知ず其夜は大いにざんざめき
翌朝夜明方に新町の茶屋を立出橋へ掛る處を
不可也二人とまりなば
両親案給はん、われは
皈べしなど、はなしの
間児の
啼に
乳房くゝませつゝうちつれて道をいそぎ
美佐嶋といふ原中に
到し時
経て近々結婚せらるゝよし侯爵は英敏閑雅今業平の称
空しからざる好男子なるは人の
知所なれば令嬢の
艶福多い
哉侯爵の艶福も
亦多い
哉艶福万歳
羨望の
到に
勝ず
まあ、何は
措いて、嫁の内の財産を
云々するなんざ、
不埒の
到だ。万々一、
実家の親が困窮して、都合に依って無心
合力でもしたとする。可愛い女房の親じゃないか。
思いつつ
寝ればや人の見えつらん夢と知りせば
覚ざらまじを、大原は
昨夜の夢の
現に
残て
独り嬉し顔に朝早く
臥戸を
出で
洗面場に
到てその帰りに隣室の前を
過けるに、隣室に下宿せる大学の書生二
引つゝ阿部川宿の
宅へ
到見るに母は
中氣にて手足
協ず一人の娘を
相手に
難儀の樣子なり娘お節は母に向ひ右の次第を
委細話せば母は大いに驚き
且悦び九助に逢て
厚く禮を
欺き天神丸の
上乘して
上方筋へ
赴かんと
胸に
巧み足を早めて西濱に
到ければ天神丸ははや
乘出さん時なり吉兵衞は
大音上オヽイ/\と船を
招けば
船頭杢右衞門が聞つけ何事ならんと
端舟を