切込きりこ)” の例文
まめもち草餅くさもち砂糖餅さたうもち昆布こんぶ切込きりこみたるなど色々いろ/\もちき、一番いちばんあとのうすをトンととき千貫せんぐわん萬貫まんぐわん萬々貫まん/\ぐわん、とどつ喝采はやして、かくいちさかゆるなりけり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
秋月九十郎は僅かに気を取直とりなおしました。次第によっては、此儘このまま切込きりこんで行く気になるかも知れません。
持病ぢびやうといふのはれかと切込きりこまれて、まあ其樣そんところでござんせう、お醫者樣ゐしやさまでも草津くさつでもと薄淋うすさびしくわらつてるに、御本尊ごほんぞんおがみたいな俳優やくしやつたられのところだといへば
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
けれど、第一だいいちに、其樣そんな危險きけん深山しんざん如何どうして紀念塔きねんたうてるか、外國人ぐわいこくじんかれぬほど危險きけんところへは、吾等われらだつてかれぬはづではいかと、すかさず一本いつぽん切込きりこむと、武村兵曹たけむらへいそうちつともおどろかない。
ようと云う了簡りょうけんで、蟠龍軒の屋敷へ切込きりこんだろうな
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ほんのりとして、ゆかしくうすいが、よるなどはともしび御目おんまなざしもくろすゞしく、法衣ほふえいろがさま/″\といますがごとかすかい。立袈裟たてげさくろに、よりもほそなゝめいた、切込きりこみの黄金きん晃々きら/\かゞやく。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「死骸ですか、」と切込きりこんだ。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)