)” の例文
「わたしが奉公するとなれば、ととさまの御勘気もるる。殿に願うて良い医師くすしを頼むことも出来る。なんのそれが不孝であろうぞ」
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
包みをおろし、賽銭を上げ、しきりに心の内に弁天を祈念して、何卒なにとぞ粟田口國綱の刀一刻も早く手に入りまして、親父の百日間の謹しみのすみやかにれるように
お兄上は、細川家で四百石の御師範、もし、京都の通し矢の事が聞えれば、御勘気おかんきれ、五十両や百両のお金は、その上ならばどうにでもなるお家がらでもございます。
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
るせ、かなんかで、入口いりぐち敷居しきゐこしをかける、れいのがりてくつをぬがせる、ともいほどむつましいとふはれのこと旦那だんなおくとほると小戻こもどりして、おともさん御苦勞ごくらう
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
翌年に相成りようやく蟄居がりましたなれども、う五十の坂を越して居ります善右衞門、大きに気力も衰え、娘おてると云うがございまして年十九に成りますから
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「いえ、まだ表面のご勘当はりたわけではございませぬ。ひとまず一色村へまいりまする」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
らじとて令孃ひめるされまじ、さらでもの繼母御前まヽはヽごぜ如何いかにたけりて、どのやうことにまでたちいたるべきか、おもへば思慮しりよあさはかにて、甚之助殿じんのすけどのたのみしは萬々ばん/″\不覺ふかくなりし
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
んなそれア穏密方おんみつがたが来て調べたって長い間のお前の煩いを介抱した様子からみんな世間で知って居るから早晩いまに彼の子も罪がりて帰れようから然う泣いてばかり居ちゃアいけない
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いとヾしきおもひにるしむれど、吾助ごすけのこともわすれがたし、るせよ吾助ごすけゆめさらさらくからねばこそ、こひすまじとて退ぞかし、うつせみのかるためまたありや
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すぐに神原兄弟は頭預かしらあずけになって、宅番たくばんの附くような事に相成り、勘八という下男は牢へ入りました。權六は至急お呼出しになって百日の遠慮はりて、其の上お役が一つ進んで御加増となる。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)