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侶
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とも
ふりがな文庫
“
侶
(
とも
)” の例文
蛙でさえも水田に鳴き、
侶
(
とも
)
を求める時であった。梅の実の熟する時、
鵜飼
(
うかい
)
の鵜さえ
接
(
つ
)
がう時、「お手討ちの夫婦なりしを
衣更
(
ころもが
)
え」
柳営秘録かつえ蔵
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
我はエレットラとその多くの
侶
(
とも
)
をみき、その中に我はエットル、エーネア、
物具
(
ものゝぐ
)
身につけ
眼
(
まなこ
)
鷹の如きチェーザレを認めぬ 一二一—一二三
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
この教信は
好事
(
こうず
)
の癖ある風流人であったから、椿岳と意気投合して隔てぬ中の友となり、日夕往来して
数寄
(
すき
)
の遊びを
侶
(
とも
)
にした。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
こっちも飽きが出て何しに躍り来たか見定めなんだが、上述の蝮を殺した実験もあり、また昔無人島などで鳥獣を殺すとその
侶
(
とも
)
の鳥獣が
怕
(
おそ
)
れ
竄
(
かく
)
れず
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
おゝ、
嬉
(
うれ
)
しや、
歸
(
かへ
)
って
來
(
き
)
た。……なう
乳母
(
うば
)
いの、
如何
(
どう
)
ぞいの? あの
方
(
かた
)
に
逢
(
あ
)
やったかや?……
侶
(
とも
)
は
彼方
(
あち
)
へ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
森の上に一つの声が渡った、夢のようにあたたかく、胸のように白く、風もない
光明
(
あかるみ
)
のひろ場を横ぎって涼しいみどりの蔭から蔭へと、山鳩が
侶
(
とも
)
よぶ声であった。
精
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
其れが
雌
(
めす
)
でゞもあったか、翌日他の一疋がのろ/\と
其
(
その
)
侶
(
とも
)
を探がしに来た。一つ
撲
(
う
)
って、ふりかえる処をつゞけざまに五六つたゝいて打殺した。殺してしもうて、つまらぬ殺生をしたと思うた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
眺め此丘一つ我物ならば
此
(
こゝ
)
に讀書の
室
(
しつ
)
を築き
松風蘿月
(
しようふうらげつ
)
を
侶
(
とも
)
として澄し込んものと又しても出來ぬ相談を始め勝地に到れば住んことを望み佳景にあへば一句してやらんと思ふ此等みな酒屋の前に
涎
(
よだれ
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
サルペードーン、
侶
(
とも
)
として、*アステロパイオス、グローコス
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
九霄
(
きうせう
)
応
(
まさ
)
に
侶
(
とも
)
を得たるなるべし
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
彼我を責めて曰ひけるは、汝何ぞ穢れし我
侶
(
とも
)
を措きて我をのみかく貪り見るや、我彼に、他に非ずわが記憶に誤りなくば 一一八—一二〇
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「それよりサッサと
蘆
(
あし
)
の
間
(
ま
)
へ帰り、
蝦
(
えび
)
や
泥鰌
(
どじょう
)
でもせせるがいいや。うん、その前に烏啼き、
侶
(
とも
)
よぶ声でも聞かせてやろう」
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
沼南が
大隈
(
おおくま
)
参議と進退を
侶
(
とも
)
にし、今の次官よりも重く見られた文部
権
(
ごん
)
大書記官の栄位を弊履の如く
一蹴
(
いっしゅう
)
して野に下り
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
ふかい静寂が森にあった、ただ
蚊吸鳥
(
かすいどり
)
が松の枝からひくく身をのり出して
侶
(
とも
)
をよぶあやしい物あわれな声がした、ともの鳥はその声に胸をふくらませて、露ふかい蔭に飛び隠れることを考えた。
精
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
されど何故に汝の
侶
(
とも
)
を
措
(
お
)
き汝ひとり
豫
(
あらかじ
)
め選ばれてこの
職
(
つとめ
)
を爲すにいたれるや、これわが悟り
難
(
がた
)
しとする所なり。 七六—七八
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
いつもひとりで寂しそうに、こそこそと忍び歩くこの鳥は、心に充たされない何物かがあって、それを求めて
侶
(
とも
)
と離れて、探し廻っているかのようであった。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
沼南と仕事を
侶
(
とも
)
にした提携者や門下生的関係ある
昵近
(
じっきん
)
者さえが「復たユックリ来給え」で
碌々
(
ろくろく
)
用談も済まない
中
(
うち
)
に撃退されてブツクサいうのは珍らしくなかった。
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
身かの如く肥ゆとみえ、かつかの鼻の雄々しき
侶
(
とも
)
と
節
(
ふし
)
をあはせて歌ふ者はその腰に萬の徳の紐を纏ひき 一一二—一一四
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「そっちがやかましい烏なら、こっちは
清々
(
すがすが
)
しい鷺の音さ! 驚いてはいけない、
侶
(
とも
)
呼んで見せる」
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
が、紅葉は早くも孤立の力なきを知って、初めから百名以上の応援隊を率いて起ち、固く結束して団体的に文壇を開拓し、進退
行蔵
(
こうぞう
)
を
総
(
すべ
)
て
侶
(
とも
)
にして自家の勢力を扶植した。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
我自ら種を蒔きて今かゝる藁を刈る、あゝ人類よ、
侶
(
とも
)
を除かざるをえざるところに何ぞ汝等の心を寄するや 八五—八七
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
事業家としてドレほどの手腕があったかは疑問であるが、事を
侶
(
とも
)
にした人の
憶出
(
おもいで
)
を綜合して見ると相当の策もあり腕もあったらしく、
万更
(
まんざら
)
な講釈屋ばかりでもなかったようだ。
二葉亭追録
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
そうして塔上の
侶
(
とも
)
を呼んだ。ウオーッ、ウオーッと侶を呼んだ。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いと高き處に坐し、その
責務
(
つとめ
)
を怠りしごとくみえ、かつ
侶
(
とも
)
の歌にあはせて口を動かすことをせざる者は 九一—九三
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
今村清之助
(
いまむらせいのすけ
)
は常に紅葉の作を愛読していたが、感服の余りに一夜
旗亭
(
きてい
)
に紅葉を招いて半夜の清興を
侶
(
とも
)
にしたそうだ。
西園寺
(
さいおんじ
)
公も誰のよりも紅葉の作を一番多く読んでおられるようだ。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
そこで彼は
侶
(
とも
)
を呼んだ。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
大いなる口を露はし、
侶
(
とも
)
に曰ひけるは、汝等見たりや、かの
後
(
あと
)
なる者觸るればすなはち物の動くを 七九—八一
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
その上に固く結束して互に相援引し、応援するにも敵対するにも一斉に
起
(
た
)
って進退緩急の行動を
侶
(
とも
)
にした。歩武の整然として訓練の
能
(
よ
)
く行届いたは
有繋
(
さすが
)
に紅葉の統率の才の尋常でなかった事が解る。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
鳩その
侶
(
とも
)
の
傍
(
かたへ
)
に飛びくだるとき、かれもこれも
𢌞
(
めぐ
)
りつゝさゝやきつゝ、
互
(
かたみ
)
に愛をあらはすごとく 一九—二一
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
自分の物だからといって多年辛苦を
侶
(
とも
)
にした社員をスッポかして
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
侶
常用漢字
中学
部首:⼈
9画
“侶”を含む語句
僧侶
伴侶
侶伴
住侶
太安万侶
安萬侶
反僧侶
好伴侶
御伴侶
侶船
僧侶達
僧侶階級
一僧侶
好侶伴
学侶
律侶
県主稲万侶
道伴侶