たほ)” の例文
ぎしりするほど腹立はらたゝしく、此老婆このばゞはりたほすにことけれど、たゞならぬ美尾みを心痛しんつういてはにまでおよぼすべき大事だいじむねをさすりて、わたしとても男子おとこはし御座ござりますれば
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
五罎の「ぶらんでー」は忽ちび出さる、二びんたちまたをる人数多き為め毎人唯一小杯をかたむけしのみ、一夜一罎をたほすとすればのこる所は三日分のみなるを以て、巳を得ずあいく、慰労の小宴ここおはれば
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
同じく並びし花瓶はないけたほし、散々に破損けがをさせしに、旦那次の間に御酒ごしゆめし上りながら、美登利お転婆が過ぎるのと言はれしばかり小言は無かりき、他の人ならば一通りの怒りでは有るまじと
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おなじくならびし花瓶はないけたほし、散々さん/″\破損けがをさせしに、旦那だんなつぎ御酒ごしゆめしあがりながら、美登利みどり轉婆てんばぎるのとはれしばかり小言こゞとかりき、ほかひとならば一とほりのおこりではるまじと
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さま/″\ものをおもひたまへば、奧樣おくさま時々とき/\しやくおこくせつきて、はげしきとき仰向あほのけたほれて、いまにもるばかりのるしみ、はじめ皮下注射ひかちうしやなど醫者いしやをもちけれど、日毎夜毎ひごとよごとたびかさなれば
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)