人工じんこう)” の例文
此雪にてつくりたる物、天又人工じんこうをたすけて一夜の間にこほりて鉄石の如くになるゆゑ、いかほど大入にてもさじきのくづるる気づかひなし。
「正吉や。お母さんは一度心臓しんぞう病で死にかけたんだけれど、人工じんこう心臓をつけていただいてこのとおり丈夫になったんですよ」
三十年後の東京 (新字新仮名) / 海野十三(著)
また人工じんこうたくみなるも、造化ざうくわにはくべからず、自然しぜん佳味かみひとつくらじ、されば、鳥籠とりかごつくし、こゝろつくしてふとも、いかで鳥類てうるゐこゝろかなふべき。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
工事こうじ場所ばしよかすみうらちか低地ていちで、洪水こうずゐが一たんきしくさぼつすと湖水こすゐ擴大くわくだいしてかはひとつにたゞ白々しら/″\氾濫はんらんするのを、人工じんこうきづかれた堤防ていばうわづか湖水こすゐかはとを區別くべつするあたりである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
いままをしました種々しゆ/″\巨石きよせきつくつた記念物きねんぶつもちひられたいしは、おほくはやまたににある自然石しぜんせき恰好かつこういものをつてて、そのまゝ使用しようしたもので、あま人工じんこうくはへてありません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
おもり石の左方さはうに畫きたる火山石を人工じんこうにて橢圓体状だゑんたいじやうに爲したる者にして、上下兩面りやうめんの中央には人工にて穿うがくぼめたる穴有り出所は甲斐西八代郡大塚村なり。諸地方しよちはうより出でたる類品るゐひん甚多し。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
稀代きたい築城法ちくじょうほう人工じんこうを加味した天嶮無双てんけんむそう自然城しぜんじょうだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かなしくよるべなき人工じんこうはな、——石竹せきちく釣鐘艸つりがねくさ
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
此雪にてつくりたる物、天又人工じんこうをたすけて一夜の間にこほりて鉄石の如くになるゆゑ、いかほど大入にてもさじきのくづるる気づかひなし。
「あのサルも、ぼくのからだと同じ、人工じんこうのサルだよ。ただむこうは、サルの脳髄しか持っていないし、こちらは人間の脳髄を持っているだけのちがいだよ」
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)