了見れうけん)” の例文
一體いつたいこりや、了見れうけんだね」と自分じぶんかざけたものながめながら、御米およねいた。御米およねにも毎年まいとしうする意味いみとんわからなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
が、それてもおかせください。おみゝはいれば、わたくしわたくしだけで、うけたまはつたことゝ了見れうけんします。香村雪枝かむらゆきえつてふんです。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
云ならば二三年以前に出て何所いづこ住居すまひいたせしぞと尋問たづねられしかば庄兵衞は何處迄も云張いひはる了見れうけんにてハイ國者の所にりしと云にその所は何所にて名は何と云やと尋問たづねられしに淺草へんなりしが其の淺草は駒形こまがたにて名は兵右衞門と申すとかシテ其の兵右衞門は只だいま以つて其の所ろに住居いたすやと問つめられしに庄兵衞ヘイ其者そのもの當時は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
よめ姿すがた彩色さいしきしては、前後左右ぜんごさいう額縁がくぶちのやうなかたちで、附添つきそつて、きざんでこしらへたものが、くものか、とみづから彫刻家てうこくかであるのをあざける了見れうけん
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二三ぷんして、細君さいくん障子しやうじ硝子がらすところかほせて、縁側えんがはてゐるをつと姿すがたのぞいてた。をつとはどう了見れうけん兩膝りやうひざげて海老えびやう窮屈きゆうくつになつてゐる。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
が、それ了見れうけんなら、こんな虚気うつけな、——対手あひておににしろ、にしろ、自分じぶん女房にようばううばはれる馬鹿ばかない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)