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めいかう
語句 | 割合 |
名香 | 33.3% |
名高 | 33.3% |
名港 | 33.3% |
飮で居る處へ二丁目の番人作兵衞といふ者來り
四方山の
咄の中此
匂を
嗅ぎ不審に思ひながら歸ると程なく
定廻りの
同心來りて行事を
呼寄名香紛失につき内々の御
調べゆゑ
藥屋共へ吟味致す樣申付るを
能こそ心掛給ひしと
甚く
賞美なし外々にて才覺致候はんと申ければ隱居は暫く考へ
脊負葛籠一ツ取出し中より
猩々緋虎の
皮古渡りの
錦金襴八
反掛茶入又は
秋廣の短刀五
本骨の
扇の三
處拵への
香箱に
名香品々其外金銀の小道具を
説く
所、
厚利に
出づる
者なるに、
之に
説くに
名高を
以てせば、
則ち
無心にして
事情に
遠しとせられ、
必ず
(六三)收められざらん。
説く
所、
實は
厚利を
爲さんとして
顯に
名高を
爲す
者なるに、
之に
説くに
名高を
以てせば、
則ち
陽に
其身を
收めて
實は
之を
疏んぜん。
其さま/″\の
奇觀をも
足る
程眺めたれば、
之より
我が
懷かしき
日本へ
歸らんと、
當夜十一
時半拔錨の
弦月丸とて、
東洋行の
滊船に
乘組まんがため、
國の
名港ネープルスまで
來たのは
伊太利の
繁華なる
港といへば、
此處は
國中隨一の
名港子ープルス、
埠頭から
海岸通りへかけて
商館の
數も
幾百千、もしや
濱島は
此港で、
其商會とやらを
營んで
居るのではあるまいかと
思ひ
浮んだので