名香めいかう)” の例文
のんで居る處へ二丁目の番人作兵衞といふ者來り四方よも山のはなしの中此にほひぎ不審に思ひながら歸ると程なく定廻ぢやうまはりの同心どうしん來りて行事を呼寄よびよせ名香めいかう紛失ふんじつにつき内々の御調しらべゆゑ藥屋くすりや共へ吟味致す樣申付るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
よくこそ心掛給ひしといた賞美しやうびなし外々にて才覺致候はんと申ければ隱居は暫く考へ脊負葛籠せおひつゞら一ツ取出し中より猩々緋しやう/″\ひとらかは古渡こわたりのにしき金襴きんらんたん掛茶入かけちやいれ又は秋廣あきひろの短刀五本骨ほんぼねあふぎの三處拵ところごしらへの香箱かうばこ名香めいかう品々しな/″\其外金銀の小道具を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なさんとするに上り口の草鞋わらぢ草履ざうりなどの中に何やらふくさつゝみしものありて其にほ芬々ふん/\たり不審いぶかりながらひらきて見れば金の五六寸四方のはこの中に名香めいかうあり是はの人が落して行しならん今に心付ば取に來るべしと思しが待てども參らざれば其の夜はいね翌朝九助ちや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)