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ひよ
ふりがな文庫
“
雛
(
ひよ
)” の例文
雛
(
ひよ
)
ッ子を育てるような金網の籠に犬は犬、猫は猫と二三匹か四五匹
宛
(
ずつ
)
入れた奴がズーッと奥の方まで並んでいる。
鶏
(
にわとり
)
も居るし小羊も居る。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
……(両手を腰にあてて、コートを歩きまわる)ほらね、——ピヨピヨ
雛
(
ひよ
)
っ子よ。十五の小娘にだってなって見せるわ。
かもめ:――喜劇 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「又お前がこの間のやうに、私に世話ばかり焼かせると、今度こそお前の命はないよ。お前なんぞは殺さうと思へば、
雛
(
ひよ
)
つ
仔
(
こ
)
の
頸
(
くび
)
を絞めるより——」
アグニの神
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
わし達は垣の内へ入つた。五六匹の
雛
(
ひよ
)
つ
仔
(
こ
)
が地に撒いてある麦を啄んでゐる。見た所では、僧侶の黒い法衣にも慣れたやうに、少しもわし達を怖がらない。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
嘘
(
うそ
)
つきの英雄を——
法螺
(
ほら
)
吹きのシラノや空威張りの
雛
(
ひよ
)
っ子のシャントクレルなどを——この時代が英雄としてることは、無理からぬことだ、と彼は言った。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
小
(
ちひ
)
さな
雛
(
ひよ
)
ツ
子
(
こ
)
の
時分
(
じふん
)
から、
雄鷄
(
おんどり
)
は
自分
(
じぶん
)
で
飛
(
と
)
べないものとばかり
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
ましたが、だん/″\
大
(
おほ
)
きくなるうちに、
自分
(
じぶん
)
に
生
(
は
)
えて
居
(
ゐ
)
る
羽
(
はね
)
を
見
(
み
)
てびつくりしました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
……
雛
(
ひよ
)
ッ子はどんなだろう。鶏や、雀と違って、ただ聞いても、
鴛鴦
(
おしどり
)
だの、白鷺のあかんぼには、博物にほとんど無関心な銑吉も、聞きつつ、早くまず耳を傾けた。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
梟
(
ふくろ
)
が土を
円
(
まる
)
めて
雛
(
ひよ
)
つ
児
(
こ
)
にするか、
何
(
ど
)
うかは真実疑はしいが、人間にはよくこんな真似をするのがある。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
私は、
舌病
(
ぜつびやう
)
に罹つた
雛
(
ひよ
)
つ子の翼のやうに弱々しくつて、蒼ざめた哀れな相手の片腕に
彈丸
(
たま
)
を一つ見舞つて來ました。そしてこれですつかり縁を切つてしまつたと思つたのでした。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「オイオイここへ珍客様が訪ねて来ていらッしゃるのに、何をいつまで、飯粒を取ッつけ合った
雛
(
ひよ
)
ッ子みたいに、そこで首を集めているのよ。早く、お茶でもわかして持って来ねえな」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鷺組のお絹を
雛
(
ひよ
)
っ
子
(
こ
)
に見立て、
禽小屋
(
とりごや
)
へ追い込もうとするのである。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「又お前がこの間のように、私に世話ばかり焼かせると、今度こそお前の命はないよ。お前なんぞは殺そうと思えば、
雛
(
ひよ
)
っ
仔
(
こ
)
の
頸
(
くび
)
を絞めるより——」
アグニの神
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ええ、この甘ったれの
雛
(
ひよ
)
っ子さん……」イヴァン・ペトローヴィチは優しくつぶやいて、妻の
額
(
ひたい
)
に
接吻
(
せっぷん
)
をして、「あなたは実によい時においでになったんですよ」
イオーヌィチ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
巣から落ちた
木菟
(
みみずく
)
の
雛
(
ひよ
)
ッ子のような小僧に対して、一種の大なる
化鳥
(
けちょう
)
である。大女の、わけて
櫛巻
(
くしまき
)
に無雑作に
引束
(
ひったば
)
ねた黒髪の房々とした濡色と、色の白さは目覚しい。
絵本の春
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
官立も、私立も鳥打帽が大流行で、職業婦人の卵も、賢母良妻の
雛
(
ひよ
)
っ子も、
踵
(
かかと
)
の高い靴を穿いた。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「さうです、五十前後でございます。」皆は
雛
(
ひよ
)
つ
子
(
こ
)
のやうに口を揃へた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「その理由を発見する
能
(
あた
)
わず」と叫ぶ奴はソックリそのままイギリスの哲学博士で、従って「結婚の生理的結果也」と感付いた奴が、最有力な日本の医学博士の
雛
(
ひよ
)
ッ子になる訳だ。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「私にやろう……と云ったんですもの。ほんとうの天狗の
雛
(
ひよ
)
ッ子だって。」
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何も格別
画
(
ゑ
)
が上手でなくともいい、発行人に幾らか出版費の足し前を出すとか、それとも絵の二三
幅
(
ぷく
)
も寄附すればいいので、さうした
訳合
(
わけあひ
)
でかなりの地位に
据
(
す
)
わつてゐる
雛
(
ひよ
)
つ
児
(
こ
)
画家も少くはない。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
うちの
別嬪連中
(
あまっちょども
)
がやいやい云っても逃げまわっているから、まだ
雛
(
ひよ
)
ッ子だと思っていたんだが……こいつばかりはわかんねえかんな。しかし女に引っかかって逃げたんならいよいよ安心だ。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
禅師の説によると、
梟
(
ふくろ
)
は土を
捏
(
こ
)
ねて、それを暖めて
雛
(
ひよ
)
つ
児
(
こ
)
にするものださうで、禅師は古人の歌やら伝説やらを引張り出してそれを証明した。
側
(
そば
)
で聴いてゐた人は禅師の
物識
(
ものしり
)
に驚いたといふ事だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“雛”の意味
《名詞》
雛(ひな)
ひな、ひよこ。
ちいさい、かわいらしいという意味。
(出典:Wiktionary)
雛
漢検準1級
部首:⾫
18画
“雛”を含む語句
雛妓
雛鶏
雛鳥
雛形
雛罌粟
雛子
紙雛
雛僧
鳳雛
雛児
男雛
内裏雛
雛壇
雛様
雛祭
雛菊
女夫雛
雛人形
雛飛欲越籬
呼雛籬外雞
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