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雛壇
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ひなだん
ふりがな文庫
“
雛壇
(
ひなだん
)” の例文
雛壇
(
ひなだん
)
のように作られた、ソオヌ谷の、目もはるかな見事な葡萄畑の下を、通常、「
無宿衆
(
ノマアド
)
」と呼ばれる
渡り見世物
(
フォラン
)
師の古びた
小屋馬車
(
ルウロット
)
が
ノンシャラン道中記:08 燕尾服の自殺 ――ブルゴオニュの葡萄祭り――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
こんな詩を
口誦
(
くちずさ
)
んで聞かせます。角の柳光亭の
楼上
(
ろうじょう
)
、楼下は
雛壇
(
ひなだん
)
のような
綺羅
(
きら
)
びやかさを軒提灯の下に映し出しています。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
店
一杯
(
いっぱい
)
に
雛壇
(
ひなだん
)
のやうな台を置いて、
最
(
いと
)
ど薄暗いのに、
三方
(
さんぽう
)
を
黒布
(
くろぬの
)
で
張廻
(
はりまわ
)
した、壇の
附元
(
つけもと
)
に、
流星
(
ながれぼし
)
の
髑髏
(
しゃれこうべ
)
、
乾
(
ひから
)
びた
蛾
(
ひとりむし
)
に似たものを、点々並べたのは
的
(
まと
)
である。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何を訊いても
埒
(
らち
)
があかず、唯今朝は自分で
雛壇
(
ひなだん
)
を疊んで雛の道具を土藏へ運ぶ筈だつたが、氣分が惡かつたので止してしまつて、下女のお文に頼んだところ
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
別に買った雛も無いから、細君が鶴子を相手に紙雛を折ったり、
色紙
(
いろがみ
)
の鶴、
香箱
(
こうばこ
)
、
三方
(
さんぼう
)
、
四方
(
しほう
)
を折ったり、あらん限りの可愛いものを集めて、
雛壇
(
ひなだん
)
を
飾
(
かざ
)
った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
渓のむこうも
己
(
じぶん
)
の立っている
周囲
(
まわり
)
も、赤い
毛氈
(
もうせん
)
を敷いた
雛壇
(
ひなだん
)
のような壇が一面に見えて、その壇の上には
内裏雛
(
だいりびな
)
を初め、
囃子
(
はやし
)
、
押絵
(
おしえ
)
の雛がぎっしり並んでいた。
怪人の眼
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
伊豆半島のある村では、女の児が
雛壇
(
ひなだん
)
の前に集まって、ままごとをするのを磯遊びと呼んでいる。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
美事なグラジオラスの一
鉢
(
はち
)
を、通りの花屋から買って来て、庸三を
顰蹙
(
ひんしゅく
)
せしめたものだが、お節句にはデパアトから
幾箇
(
いくつ
)
かの人形を買って来て、子供の
雛壇
(
ひなだん
)
を
賑
(
にぎ
)
わせたり
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
見ると、次郎は
雛壇
(
ひなだん
)
の前あたりで、大騒ぎを始めた。暮れの
築地
(
つきじ
)
小劇場で「子供の日」のあったおりに、たしか「そら豆の煮えるまで」に出て来る役者から見て来たらしい身ぶり、手まねが始まった。
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
汽船の舷側に、風変りな
雛壇
(
ひなだん
)
が作られたような具合である。長さ一間、幅は下に行くほど広くなる板が、ロープで、六段に吊られ、一段に二人ずつ、美しい雛のかわりに、ごつい沖仲仕が立っている。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
店一杯に
雛壇
(
ひなだん
)
のような台を置いて、いとど薄暗いのに、三方を黒布で張廻した、壇の
附元
(
つけもと
)
に、
流星
(
ながれぼし
)
の
髑髏
(
しやれこうべ
)
、
乾
(
ひから
)
びた
蛾
(
ひとりむし
)
に似たものを、点々並べたのは
的
(
まと
)
である。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
足に
触
(
さわ
)
った
雛壇
(
ひなだん
)
は足をあげて力まかせに踏みにじった。足の力が余ってひっくりかえることがあった。
怪人の眼
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
雛壇
(
ひなだん
)
から借りて來たやうに竝んで居りますが、突當りの百味だんすの前、帳場格子の中には、十八九の娘が一人、筆の
穗先
(
ほさき
)
を噛んだまゝ、何やら思案をして居るではありませんか。
銭形平次捕物控:167 毒酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
もっとも東の
雛壇
(
ひなだん
)
をずらりと通して、柳桜が、色と姿を競った中にも、ちょっとはあるまいと思う、
容色
(
きりょう
)
は容色と見たけれども、
歯痒
(
はがゆ
)
いほど
意気地
(
いくじ
)
のない、何て
腑
(
ふ
)
の抜けた
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
鶴
(
つる
)
も、
雛壇
(
ひなだん
)
も、それ程でもなかったが、背の低い男の眼は、今に忘れません」
怪人の眼
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
黒棚
(
くろだな
)
、
御廚子
(
みずし
)
、
三棚
(
みつだな
)
の
堆
(
うずたか
)
きは、われら
町家
(
ちょうか
)
の
雛壇
(
ひなだん
)
には
些
(
ち
)
と
打上
(
うちあが
)
り過ぎるであろう。
箪笥
(
たんす
)
、
長持
(
ながもち
)
、
挟箱
(
はさみばこ
)
、
金高蒔絵
(
きんたかまきえ
)
、
銀金具
(
ぎんかなぐ
)
。小指ぐらいな
抽斗
(
ひきだし
)
を開けると、中が
紅
(
あか
)
いのも美しい。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大俎
(
おおまないた
)
がある、
白刃
(
しらは
)
が光る、
筏
(
いかだ
)
のように
槍
(
やり
)
を組んで、まるで地獄の
雛壇
(
ひなだん
)
です。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
青貝を
鏤
(
ちりば
)
めて隙間なく並べた
雛壇
(
ひなだん
)
に較べて
可
(
い
)
い。
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“雛壇”の意味
《名詞》
(語義1より)大規模な会議等において、参加者に対面して、説明者やパネリストを横一列に配置したもの。列が複数になる場合、階段状に配置するが、一列のみでも慣習的に、この名で呼称する。特に、テレビ番組において、パネリストが座る席が複数段になっているもの。
(出典:Wiktionary)
雛
漢検準1級
部首:⾫
18画
壇
常用漢字
中学
部首:⼟
16画
“雛”で始まる語句
雛
雛妓
雛鳥
雛形
雛罌粟
雛鶏
雛様
雛段
雛菊
雛芥子