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闇夜
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やみ
ふりがな文庫
“
闇夜
(
やみ
)” の例文
尤
(
もつと
)
も
其
(
それ
)
は、
或機會
(
あるきつかけ
)
に
五位鷺
(
ごゐさぎ
)
が
闇夜
(
やみ
)
を
叫
(
さけ
)
ぶ、
鴉
(
からす
)
が
啼
(
な
)
く、と
同
(
おな
)
じ
意味
(
いみ
)
で、
聞
(
き
)
くものは、
其處
(
そこ
)
に
自分
(
じぶん
)
一人
(
ひとり
)
でも、
鳥
(
とり
)
は
誰
(
たれ
)
に
向
(
むか
)
つて
呼
(
よ
)
ぶのか
分
(
わか
)
らない。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
兎角
(
とかく
)
する
程
(
ほど
)
に
怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
はます/\
接近
(
せつきん
)
し
來
(
きた
)
つて、
白
(
しろ
)
、
紅
(
あか
)
、
緑
(
みどり
)
の
燈光
(
とうくわう
)
は
闇夜
(
やみ
)
に
閃
(
きら
)
めく
魔神
(
まじん
)
の
巨眼
(
まなこ
)
のごとく、
本船
(
ほんせん
)
の
左舷
(
さげん
)
後方
(
こうほう
)
約
(
やく
)
四五百
米突
(
メートル
)
の
所
(
ところ
)
に
輝
(
かゞや
)
いて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
と
貸提灯
(
かしぢょうちん
)
を提げて雪駄穿きで、チャラリ/\と
又兵衛橋
(
またべえばし
)
を渡って
押上橋
(
おしあげばし
)
の処へ来ると、
入樋
(
いりひ
)
の処へ一杯水が這入って居ります。向うの所は
請地
(
うけじ
)
の
田甫
(
たんぼ
)
でチラリ/\と農家の
燈火
(
あかり
)
が見えます、真の
闇夜
(
やみ
)
。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
颯
(
さっ
)
と血潮が飛んだであろうが
闇夜
(
やみ
)
のことで
解
(
わか
)
らない。
村井長庵記名の傘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
渠
(
かれ
)
が立てる処より間
遥
(
はるか
)
に隔りたる建物の戸を
開閉
(
あけたて
)
する音なるが、一種特別の
響
(
ひびき
)
あれば、
闇夜
(
やみ
)
にも屠犬児は識別せるなり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「どこかへ明日まで封じておきな。」「あいあい親方請取ろうか。」「そら渡すぞ。」と屠犬児が片手で突けば、飛んで来る、三吉を
引抱
(
ひんだ
)
きて、
壮佼
(
わかもの
)
は
闇夜
(
やみ
)
に消えぬ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何も穿かねえというんじゃねえ。しかもお
提灯
(
ちょうちん
)
より見っこのねえ
闇夜
(
やみ
)
だろうじゃねえか、風俗も
糸瓜
(
へちま
)
もあるもんか。うぬが商売で寒い思いをするからたって、何も人民にあたるにゃあ及ばねえ。
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
苦笑
(
にがわらひ
)
をして
又
(
また
)
俯向
(
うつむ
)
いた……フと
氣
(
き
)
が
付
(
つ
)
くと、
川風
(
かはかぜ
)
に
手尖
(
てさき
)
の
冷
(
つめた
)
いばかり、ぐつしより
濡
(
ぬ
)
らした
新
(
あたら
)
しい、
白
(
しろ
)
い
手巾
(
ハンケチ
)
に——
闇夜
(
やみ
)
だと
橋
(
はし
)
の
向
(
むか
)
うからは、
近頃
(
ちかごろ
)
聞
(
きこ
)
えた
寂
(
さび
)
しい
處
(
ところ
)
、
卯辰山
(
うたつやま
)
の
麓
(
ふもと
)
を
通
(
とほ
)
る、
陰火
(
おにび
)
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“闇夜”の意味
《名詞》
光のない暗い夜。
(出典:Wiktionary)
闇
常用漢字
中学
部首:⾨
17画
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
“闇夜”で始まる語句
闇夜彷徨