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開闢
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かいびやく
ふりがな文庫
“
開闢
(
かいびやく
)” の例文
「この小さい村、皆な合せても百戸位しか
無
(
ね
)
いこの小さい村に、十五六軒ですだで、村
開闢
(
かいびやく
)
以来の珍事として、大騒を遣つて居りますだア」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
池中の蛙が驚いてわめいてる
中
(
うち
)
に、蛇は蛙を
啣
(
くは
)
へた儘、
芦
(
あし
)
の中へかくれてしまつた。
後
(
あと
)
の騒ぎは、恐らくこの池の
開闢
(
かいびやく
)
以来
未嘗
(
いまだかつて
)
なかつた事であらう。
蛙
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
病氣が消滅したのか、
竊
(
ひそ
)
かに放任主義を執ることになつたゝめなのか、避病院といふこの村には
開闢
(
かいびやく
)
以來の一種特別な建物は、年の暮れには不用になつた。
避病院
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
「我が国家
開闢
(
かいびやく
)
より
以来
(
このかた
)
、君臣の分定まりぬ。臣を以て君と
為
(
す
)
ること
未
(
いま
)
だ
之
(
こ
)
れ
有
(
あ
)
らざるなり。
天
(
あま
)
ツ日嗣は必ず皇緒を立てよ。無道の人は宜しく早く
掃除
(
はらひのぞ
)
くべし。」
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
「床の中で過失は變ぢやありませんか。おまけに首筋を
刺身庖丁
(
さしみばうちやう
)
で切られて頓死は
開闢
(
かいびやく
)
以來で——」
銭形平次捕物控:179 お登世の恋人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
亦
憐
(
あはれ
)
むべからずや。(中略)今日の如き、実に天地
開闢
(
かいびやく
)
以来興治の機運なるが故に、海外の諸国、天理の自然に基き、開悟発明、文化の域に至らむとする者少からず。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
三日四日に歸りしもあれば一夜居て逃出しもあらん、
開闢
(
かいびやく
)
以來を尋ねたらば折る指に彼の内儀さまが袖口おもはるゝ、思へばお峰は辛棒もの、あれに酷く當たらば天罰たちどころに
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
静けき村路に
開闢
(
かいびやく
)
以来の大声をあげて歓呼しつゝ家国の光栄を祝したる事あり。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
アダムの
二本棒
(
にほんぼう
)
が
意地
(
いぢ
)
汚
(
きたな
)
さの
摂
(
つま
)
み
喰
(
ぐひ
)
さへ
為
(
せ
)
ずば
開闢
(
かいびやく
)
以来
(
いらい
)
五千
年
(
ねん
)
の
今日
(
こんにち
)
まで
人間
(
にんげん
)
は
楽園
(
パラダイス
)
の
居候
(
ゐさふらふ
)
をしてゐられべきにとンだ
飛
(
とば
)
ツ
塵
(
ちり
)
が
働
(
はたら
)
いて
喰
(
く
)
ふといふ
面倒
(
めんだう
)
を
生
(
しやう
)
じ〻は
扨
(
さて
)
も
迷惑
(
めいわく
)
千万
(
せんばん
)
の事ならずや。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
わが日本
開闢
(
かいびやく
)
以來、はじめて舞樂のおもてを刻まれたは、勿體なくも聖徳太子、つゞいて
藤原淡海
(
ふぢはらのたんかい
)
公、
弘法大師
(
こうぼふだいし
)
、
倉部
(
くらべ
)
の
春日
(
かすが
)
、この人々より傳へて今に至る、由緒正しき職人とは知られぬか。
修禅寺物語
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「講義が面白い訳がない。君は
田舎者
(
いなかもの
)
だから、今に
偉
(
えら
)
い事になると思つて、今日迄辛防して聞いてゐたんだらう。愚の至りだ。彼等の講義は
開闢
(
かいびやく
)
以来こんなものだ。今更失望したつて仕方がないや」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
急ぐ物から
大家
(
たいけ
)
の事ゆゑ
出入
(
でいり
)
の者まで萬事行屆かする其爲に支度に
掛
(
かゝり
)
て日を送りまだ當日さへ
定
(
さだ
)
めざりけり
偖
(
さて
)
も此方は
裏店
(
うらだな
)
に
開闢
(
かいびやく
)
以來
(
いらい
)
見し事なき釣臺三荷の結納物を
擔
(
かつ
)
ぎ入ける
爲體
(
ていたらく
)
に長家の者は目を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
畑の土は、
開闢
(
かいびやく
)
このかた、黒いもんか
都会と田園
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
この峨眉山といふ山は、天地
開闢
(
かいびやく
)
の昔から、おれが
住居
(
すまひ
)
をしてゐる所だぞ。それも
憚
(
はばか
)
らずたつた一人、ここへ足を踏み入れるとは、よもや唯の人間ではあるまい。
杜子春
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「全くだよ、狸が泥棒したつて話は、
開闢
(
かいびやく
)
以來だ。猫に小判ならわかるが、狸に小判ぢや
洒落
(
しやれ
)
にもならねえ。神田からわざ/\本所まで恥をかきに來たやうなものさ」
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
三日四日に帰りしもあれば一夜居て
逃出
(
にげいで
)
しもあらん、
開闢
(
かいびやく
)
以来を尋ねたらば折る指にあの
内儀
(
かみ
)
さまが
袖口
(
そでぐち
)
おもはるる、思へばお
峯
(
みね
)
は辛棒もの、あれに
酷
(
むご
)
く
当
(
あたつ
)
たらば
天罸
(
てんばつ
)
たちどころに
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
開闢
(
かいびやく
)
以来此世界に現れた、人、物、事、に就いては、少くも文字に残されて居る限りは大方知つて居るつもりであるが、
未嘗
(
いまだかつ
)
て、『完全なる』といふ形容詞を真正面から冠せることの出来る奴には
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“開闢”の意味
《名詞》
開 闢(かいびゃく)
天と地が分かれてできた時。この世の始まり。
信仰の地としての山を開き、あるいは初めて寺院などをつくること。また、その人。開山。
荒れ地などが切り開かれること。
(出典:Wiktionary)
開
常用漢字
小3
部首:⾨
12画
闢
漢検1級
部首:⾨
21画
“開闢”で始まる語句
開闢以来
開闢説
開闢論
開闢以來
開闢論的