かゞみ)” の例文
また地には、かしこの惡しき人々さへむるばかりの——かれらむれどかゞみならはず——わが記念かたみを遺しぬ。 一六—一八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
こゝ江戸えど新吉原町しんよしはらまち松葉屋半左衞門まつばやはんざゑもんかゝへ遊女いうぢよ瀬川せがはをつとかたきうちしより大岡殿の裁許さいきよとなり父の讐迄あだまでうち孝貞かうていの名をあらは而已のみ遊女いうぢよかゞみたゝへられそれため花街くるわ繁昌はんじやうせし由來を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
喜「いや、それと申すも、其許の日頃の行状がければこそ、我らは真に世の中のかゞみと信じて居ります、時に御家内様、かたきの行方が知れまして嘸々さぞ/\お悦びでござりましょう」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
口もとは小さからねど締りたれば醜くからず、一つ一つに取たてゝは美人のかゞみに遠けれど、物いふ聲の細くすゞしき、人を見る目の愛敬あふれて、身のこなしの活々したるは快き物なり
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
永久に神の国とその義しさとを求める凡ての熱烈な真心のかゞみとなるでせう。
名馬めいばかゞみ駿馬しゆんめ威徳ゐとく
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
くちもとはちいさからねどしまりたればみにくからず、一つ一つにとりたてゝは美人びじんかゞみとほけれど、ものいふこゑほそすゞしき、ひと愛嬌あいけうあふれて、のこなしの活々いき/\したるはこゝろよものなり
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
とゞろかし末世まつせ奉行のかゞみと成たる明斷めいだんちなみて忠相ぬしが履歴りれきとその勳功くんこう大略あらましとを豫て傳へきゝ異説いせつ天一ばうさへ書記かきしるして看客かんかくらんそなふるなれば看客此一回を熟讀じゆくどくして忠相ぬしが人と成りはらにを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)