都大路みやこおほぢ)” の例文
あのづるへんわが故國ここくでは今頃いまごろさだめて、都大路みやこおほぢ繁華はんくわなるところより、深山みやまをくそま伏屋ふせやいたるまで、家々いへ/\戸々こゝまる國旗こくきひるがへして、御國みくにさかえいわつてことであらう。
人情のいつはり多きは、山里も都大路みやこおほぢも殊なることなけれど、山里は爽かに涼しき風吹きて、住む人の少きこそめでたけれ。汝はアリチアの婚禮とサヱルリ侯との昔がたりを知るならん。
切符きつぷつて、改札口かいさつぐちて、精々せい/″\きりすそ泥撥どろはねげないやうに、れた石壇いしだんあがると、一面いちめんあめなかに、不知火しらぬひいてたゞよ都大路みやこおほぢ電燈でんとうながら、横繁吹よこしぶききつけられて
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
都大路みやこおほぢに世の榮華をつくすも、しづ伏屋ふせやあぜ落穗おちぼひろふも、暮らすは同じ五十年の夢の朝夕。妻子珍寶及王位さいしちんぱうおよびわうゐ命終いのちをはる時に隨ふものはなく、野邊のべより那方あなたの友とては、結脈けちみやく一つに珠數じゆず一聯のみ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
都大路みやこおほぢ流離さすらひよ、御堂みだうくだ長町ながまちよ。
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
今日けふもまた都大路みやこおほぢをさすらひくらし
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
りしらむ日盛ひざかりの都大路みやこおほぢ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)