連理れんり)” の例文
「何しろ手放しだ。錦子さんとの仲は、天にあらば比翼ひよくの鳥、地にあらば連理れんりの枝。それは好いが嘘字が沢山書いてあった」
合縁奇縁 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
天にあっては比翼ひよくの鳥、地に在っては連理れんりの枝とならん——と来世を願った漢帝の悔恨を、胸に歌に繰り返して、泣き死んでも追いつかないことである。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
怪事あやし婦人ふじんかたけて連理れんり椅子いすならべたのは、美少年びせうねんのそれにあらず。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いやはなしませぬはなされませぬおまへさまころしては旦那だんなさまへみませぬといふはまさしく勘藏かんざうか、とおたかことばをはらぬうちやみにきらめく白刄しらは電光いなづまアツと一聲ひとこゑ一刹那いつせつなはかなくれぬ連理れんり片枝かたえは。
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
破ることに世間見ずの千太郎と又相手は遊女とは云へまだ生娘きむすめも同樣なる小夜衣のことなれば後先あとさきかんがへも無く千太郎を招き田舍ゐなかありては見る事も成らぬかゝる御人と連理れんりちぎりをむすぶ嬉しさは身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
天に在っては比翼ひよくの鳥、地に在っては連理れんりの枝、——ああ、あの約束を思うだけでも、わたしの胸は張りけるようです。少将はわたしの死んだことを聞けば、きっとなげじにに死んでしまうでしょう。
二人小町 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
中は悉皆すっかり空洞うろになって、枝の或ものは連理れんりになって居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
たとえ生きても死んでも、離れていても、お互いの心は、比翼ひよくの鳥のように、連理れんりの枝のように、固くむすばれているものと信じていますから、ちっとも淋しくなんかない。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ありしは何時いつの七せき、なにとちかひて比翼ひよくとり片羽かたはをうらみ、無常むじようかぜ連理れんりゑだいきどほりつ、此處こヽ閑窓かんさうのうち机上きじやう香爐かうろえぬけふりのぬしはとへば、こたへはぽろり襦袢じゆばんそでつゆきて
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
連理れんりの枝をめぐっている。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
連理れんりえだ
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)