連山れんざん)” の例文
越後の西北は大洋おほうみたいして高山かうざんなし。東南は連山れんざん巍々ぎゝとして越中上信奥羽の五か国にまたがり、重岳ちようがく高嶺かうれいかたならべて十里をなすゆゑ大小のけものはなはだおほし。
この怪車輌は、能率三千パーセントと称せられた原子変換げんしへんかんエネルギーを利用した起重動力発生機きじゅうどうりょくはっせいきであって、さてこそ連山れんざんを削り、岩石を天空にとばす。
越しかたかえりみれば、眼下がんかに展開する十勝の大平野だいへいやは、蒼茫そうぼうとして唯くもの如くまた海の如く、かえって北東の方を望めば、黛色たいしょく連山れんざん波濤はとうの如く起伏して居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ひだりはうには、六甲ろくかふ連山れんざんが、はるひかりにかゞやいて、ところ/″\あか禿げた姿すがたは、そんなにかすんでもゐなかつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
さばくはボルドーの町の門からピレネーの連山れんざんまでつづいていて、『ランド』という名でばれていた。
甲斐かい連山れんざん秩父ちちぶ峻峰しゅんぽうも、みなこの晴れの日を審議しんぎするもののように御岳のまわりをめぐっていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
背後うしろかこつた、若草わかくさ薄紫うすむらさき山懐やまふところに、黄金こがねあみさつげた、ひかり赫耀かくやくとしてかゞやくが、ひとるほどではなく、太陽たいやうときに、かすかとほ連山れんざんゆきかついだ白蓮びやくれんしべごとくにえた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
帆がすべる、遥かの鋸形のこぎりがた連山れんざんから、空には
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そして学校にも牛丸君のような愉快な友だちができるし、それから又港町のうしろにつらなっている連山れんざんの奥ふかく遊びにいく楽しみを発見して、ひまがあれば山の中を歩きまわった。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それはいく週間と知らない長いあいだ、谷間をぬけ山をこえた。いつもピレネー連山れんざんのむらさき色のみねを横に見た。それはうずたかくもり上がった雲のかたまりのように見えていた。
群木ぐんぼくすこしく霜をそめ紅々あかく連山れんざんわづかに雪をのせ白々しろし
群木ぐんぼくすこしく霜をそめ紅々あかく連山れんざんわづかに雪をのせ白々しろし