“諳:そら” の例文
“諳:そら”を含む作品の著者(上位)作品数
野村胡堂8
薄田泣菫3
岡本綺堂3
森鴎外2
吉川英治2
“諳:そら”を含む作品のジャンル比率
文学 > ドイツ文学 > その他のゲルマン文学14.3%
芸術・美術 > 演劇 > 歌舞伎4.0%
文学 > フランス文学 > 小説 物語3.8%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
ところが、この女地主の手許てもとには、そんな名簿の書附かきつけなどは何ひとつなく、彼女は殆んど全部そらで憶えていた。
六、七歳頃から『八犬伝』の挿絵を反覆して犬士の名ぐらいは義経・弁慶・亀井・片岡・伊勢・駿河と共にそらんじていた。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
但しその年表が東京だけにとどまって、関西方面まで手が廻らないのは、編者が関西劇界の事情をよくそらんじていないがためである。
明治演劇年表 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「孔明先生には、よく六韜りくとうそらんじ、三略に通ずと、かねがね伺っていますが、日々、兵書をお読みですか」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼はしばらくプログラムの表面を見ていたが、今の「木製の人形」に出ている十人のレビュー・ガールの名前を胸のうちにそらんじた。
間諜座事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そういう詩の幾多の文句を陪審官諸氏が一語一語舌端にそらんじておられるであろうことを自分はよく知っているが、——と検事長が言うと
丹六は当代には珍らしい日本水泳が上手で、溺れる者の救助などは、伝統的な方法をちゃんとそらんじていたのです。
友人の手からストラドヴァリウスを受取って、私がそらんじて居る限りの、静かな淋しい曲をひいてやりました。
天才兄妹 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
いままで何かでそんな字を見て、そらんじてゐたが、何のことだかよく分らずにゐた——それが、いま、いかにもぴつたりと彼女には感ぜられた。
おもかげ (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
その頃は江戸八百八町と言つても、人口にして百萬に充たず、有名な物持や大町人や、筋の通つた家柄は、御用聞の平次ならずとも大方そらんじて居たのです。
巨盗の幽霊の手紙は、明らかに紛失しましたが、さいわい総右衛門が文句をそらんじているのと、留吉が筆跡や紙をよく見ておいたので、大体のことは平次にも想像がつきます。
彼は、少女サビツがギルガメシュをなぐさめた言葉をもそらんじている。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)
どんな複雑な論理をも容易たやす辿たどって行く人が、却って器械的にそらんじなくてはならぬ語格の規則に悩まされたのは、想像しても気の毒だと、私はつくづく思った。
二人の友 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
と、ヨハンは、お蝶にもわかることばに訳して、そらで読んで聞かせてから、
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そは閨情けいじやう、懷古、伊太利風土の美、藝術、詩賦等、何物にも附會し易きものあるを用ゐ、又人の喝采を博すべき段をば先づ作りてそらんじ置くことを得る事なりと云ふ。
何枚の何行目にどんな文句があるといふ事まで、ちやんとそらんじてゐる。
川手氏さえ戸惑いしそうな複雑な邸内の間取りを、子供の癖にちゃんとそらんじているらしく、少しも躊躇しないで、廊下から座敷へ、座敷からまた別の廊下へと、グングン進んで行く。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
こんな社会の消息なら、誰よりもよくそらんじて居る千種十次郎は、いろんな事情を考え乍ら、乗ったタクシーの尻を引っぱたくような心持で、代官山の長島博士の門口へ着きました。
音波の殺人 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
その頃の車夫にはなかなか芝居の消息をそらんじている者もあって、今度の新富チョウは評判がいいとか、猿若マチは景気がよくないとか、車上の客に説明しながらいてゆくのをしばしば聞いた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ペトラルカが小抒情詩をば、盡くそらんぜしめられき。
その頃の車夫にはなかなか芝居の消息をそらんじている者もあって、今度の新富チョウは評判がいいとか、猿若マチは景気がよくないとか、車上の客に説明しながらいてゆくのをしばしばきいた。
島原の夢 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
自分で持って出て郵便函へ入れようとしてなおためらい、向うから来た巡査にあやしまれるのを恐れて思切って投込んだが、帰ってからその文句の廉々かどかどそらんずるにつけて罪恐ろしく
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
中尉はそれらの名前をことごとくそらんじていた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その晩の会はそれで終りました。語り尽した雑談の数々は、もとより一つも記憶しませんが、藤波金三郎の不思議な情熱だけは忘れることも出来ない記憶になって、片言隻句までもそらんじて居ります。
沙翁シェイクスピアは文人として英国のみならず世界の最大の名で、その作は上下を通じてあまねく読まれ、ハムレットやマクベスの名は沙翁の伝記の一行をだも読まないものにもそらんぜられている。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
みちゆきのさざめき、そらきほくる
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
道ゆきのさざめき、そらに聞きほくる
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
彼女は、そらで覚えているのである。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
私はしまいには窓から見える人家の屋根瓦が何十枚あって、はすかいに何枚並んでいるかということ、はすかいの起点から下の方の起点が決して枚数を同じくしない点からして、殆んど四角な屋根が、決して四角でないことなどをそらんじていた。
幼年時代 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
へエ——。何遍もくり返して、そらで覺えてしまひましたが、——あの晩、騷ぎの眞つ最中にお元の聲を聞き付けて、六助と勘次とあつしが驅け付けました。親分は部屋の眞ん中——丁度衝立ついたての前のところに引つくり返つてもう蟲の息もありません。
そうさね。同じ詞で始まる歌が、百首のうちに幾つあるということをそらんじてしまって、初五文字しょごもじを読んでしまわないうちに、どれでもいように、二三枚のかるたを押えてしまうことが出来なくては、上手下手の評にのぼることが出来ない。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
へエ——。何遍もくり返して、そらで覚えてしまいましたが、——あの晩、騒ぎの真っ最中に、お元の声を聞き付けて、六助と勘次とあっしが駆け付けました。親分は部屋の真ん中——ちょうど衝立ついたての前のところに引っくり返ってもう虫の息もありません。
そうだ。だがどうしてそう僕を不当に取り扱うんだ。僕だってその場合になったらすてきなもんだぜ。僕はプリュドンムも読んだ、民約論(ルーソーの)も知ってる、共和二年の憲法もそらんじてる。『人民の自由は他の人民の自由が始まる所に終わる』だ。君は僕を愚図だとするのか。僕は革命時代の古い紙幣も一枚引き出しにしまってる。