血気けっき)” の例文
旧字:血氣
それは一同の希望きぼうで、ゆうべも月ノ宮の垢離堂こりどうで、血気けっき面々めんめんがみな口をそろえていうには、自分たちも闘士として出場しゅつじょう
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
血気けっきはやる少年の、其の無邪気さを愛する如く、離れては居るが顔と顔、媼はめるやうにして、しよぼ/\と目をみひら
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
とかくこの客気血気けっきがあれば考えにあやまりを生じやすい。一口ひとくちに熱心などと称するからよく聞こえるが、思慮のない熱心ほどおのれを害し人を害するものはない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
それを見て取ると葉子の心の中はかっとなったが、みかまけたひとみはそのままで、するすると男の顔を通り越して、左側の古藤の血気けっきのいいほおのあたりに落ちた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
田崎は例の如く肩をいからして力味返った。此の人は其後そのご陸軍士官となり日清戦争の時、血気けっきの戦死をげた位であったから、殺戮さつりくには天性てんせいの興味を持って居たのであろう。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
すなわち、ねぎとまぐろの脂肪とをいっしょにして、すき焼きのように煮て食うのである。年寄りは、くどい料理としてよろこばぬが、血気けっきさかんな者には美味うまいものである。
鮪を食う話 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
すると、血気けっきにはやる若者わかものたちは、そんなのんきなことをいってはいられんというふうで
カラカラ鳴る海 (新字新仮名) / 小川未明(著)
血気けっきはいが、ただ社会の騒動を企望きぼうして変を好み、自己の利益をもかえりみずしてみだりに殺伐をこととするは、平安の主義にもとるが如くなれども、つまびらかにその内情を察すれば
教育の目的 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「どうだ!」と、死神が声をかけました、「これは、人間にんげんどもの生命いのち燈火あかりだ。大きいのは子どもので、ちゅうぐらいのは血気けっきさかんな夫婦もの、小さいやつは、じいさん、ばあさんのだ。 ...
けだし当時南北戦争ようやみ、その戦争せんそうに従事したる壮年そうねん血気けっきはい無聊ぶりょうに苦しみたる折柄おりからなれば、米人にはおのずからこのしゅはいおおかりしといえども、あるいはその他の外国人にも同様どうようの者ありしならん。
いうが早いか、やりを持ちなおして、敢然かんぜん試合場しあいじょうのほうへ帰ってきたが、まだれいもすまないうちに血気けっきばしった祇園藤次ぎおんとうじが、颯然さつぜんとおどりかかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
犬は喰はねど煩悩ぼんのうの何とやら血気けっきの方々これを読みたまひてその人もし殿方とのがたならばお客となりて芸者を見ん時、その人もし芸者衆げいしゃしゅならばお座敷かかりてお客の前にでん時
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
一方はひどくきこんで来た様子だし、一方は血気けっき生意気ざかりの年少者ばかりなので、何かことばのはずみから喧嘩でも始まったような声もしてくる。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、若き人たちの血気けっきを、ことなかれと、きょくりょくおさえめていた伊那丸いなまる民部みんぶも、なんのくろうなく、大講会だいこうえ行事ぎょうじ見納みおさめしたにちがいない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
などという老魂ろうこん血気けっきが、まま若い血気もやらぬ下手をやり出すのである。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)