肥料ひりょう)” の例文
ひかりが十ぶんたり、それに、ほどこした肥料ひりょうがよくきいたとみえて、山吹やまぶきは、なつのはじめに、黄金色こがねいろはなを三つばかりつけました。
親木と若木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それでも肥料ひりょうの入れようやなんかまるでちがうんだから。いまならみんなはまるで反対はんたいにやってるんでないかと思う。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
昔は太陽の光と能率のうりつのわるい肥料ひりょうで永くかかって栽培していましたが、今はそれに代って、適当なる化学線と電気とすぐれた植物ホルモンをあたえることによって、たいへんりっぱな
三十年後の東京 (新字新仮名) / 海野十三(著)
燻炭くんたん肥料ひりょうと云う事が一時はやって、芥屑ごみくず燻焼くんしょうする為に、大きな深い穴が此処其処に掘られた。其穴の傍で子を負った十歳の女児むすめと六歳になる女児が遊んで居たが、誤って二人共穴に落ちた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
商人は商人、教師は教師、役人は役人とおのれのあずかっている職務に忠実ちゅうじつにして、なおかつ思想は高く俗界を超越ちょうえつして、商人が金を造っても金を目的とせず、農家が肥料ひりょうほどこしても収穫しゅうかく以上に目的を置き
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
かれは、おおくのひとやとって、肥料ひりょうをやったり、ふゆになるとかこいをして、ゆきのためにれないようにをかけたりしました。
牛女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
母はまるでぼくのことばかり心配しんぱいしている。ぼくはうちの稲が倒れただけなら何でもないのだ。ぼくが肥料ひりょうを教えた喜作のだってそれだけなら何でもない。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ところが、ある勇吉ゆうきちは、にわくさをむしったり、肥料ひりょうをほどこしたりするうち、あやまって、花壇かだんのやまゆりを、ふみつけてしまいました。
雲のわくころ (新字新仮名) / 小川未明(著)
それだから仕事しごと予定よてい肥料ひりょうの入れようも見当がつかないのだ。ぼくはもう少しならったらうちの田をみんな一まいずつはかって帳面ちょうめんじておく。そして肥料だのすっかり考えてやる。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
種子たねはどこからせて、何月なんがつ何日なんにちはたけにまいて、いつ肥料ひりょう何回なんかいぐらいやったのですか、どうかはなしてください。」と、かかりのものはいいました。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
勇二ゆうじは、山吹やまぶきのいきいきとした姿すがたると、よろこんで、そのちいさな肥料ひりょうほどこしました。
親木と若木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
さちや、二ほんのばらは、がついたよ。もうだいじょうぶだから、大事だいじにしておき、そして、肥料ひりょうをすこしずつやるといい。今年ことしは、だめだろうが、来年らいねんはなくかもしれません。
花と少女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
吉雄よしおくんは、それからは、よく注意ちゅういして、肥料ひりょうをやったりしました。
いちじゅくの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)