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聟君
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むこぎみ
ふりがな文庫
“
聟君
(
むこぎみ
)” の例文
恥ずかしくない家がらで都会の子弟とあっては、伊豆の片田舎からわざわざ妻を
娶
(
めと
)
ろうなどという
聟君
(
むこぎみ
)
は、まずないと云ってもよい。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
赤心
(
まごゝろ
)
ばかりは
誰
(
た
)
れ
人
(
びと
)
にまれ
劣
(
おと
)
ることかは、
御心
(
おこゝろ
)
やすく
思召
(
おぼしめ
)
せよ
世
(
よ
)
にも
勝
(
すぐ
)
れし
聟君
(
むこぎみ
)
迎
(
むか
)
へ
參
(
まゐ
)
らせて
花々
(
はな/″\
)
しきおん
身
(
み
)
にも
今
(
いま
)
なり
給
(
たま
)
はん
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一番繁く出入して当人
慥
(
たしか
)
に
聟君
(
むこぎみ
)
登第
(
とうだい
)
の
栄
(
えい
)
を得る
意
(
つもり
)
で
己惚
(
うぬぼ
)
れてゐるのが、大学の学士で某省の高等官とかを勤める
華尾
(
はなを
)
高楠
(
たかくす
)
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
……あなたの
聟君
(
むこぎみ
)
のいらっしゃる所に着いたのですぞ。さあ、下りなさい。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
「——登子さまの方でも、わが
聟君
(
むこぎみ
)
となる人はたれか、それさえご存知なくして、お
輿入
(
こしいれ
)
を得心あろうはずもござりませねば」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
廿歳
(
はたち
)
といふも
今
(
いま
)
の
間
(
ま
)
なるを、
盛
(
さか
)
りすぎては
花
(
はな
)
も
甲斐
(
かひ
)
なし、
適當
(
てきたう
)
の
聟君
(
むこぎみ
)
おむかへ申し
度
(
たき
)
ものと、一
意
(
い
)
專心
(
せんしん
)
主
(
しう
)
おもふ
外
(
ほか
)
なにも
無
(
な
)
し、
主人
(
しゆじん
)
大事
(
だいじ
)
の
心
(
こゝろ
)
に
比
(
く
)
らべて
世上
(
せじやう
)
の
人
(
ひと
)
の
浮薄
(
ふはく
)
浮佻
(
ふてう
)
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
憚りながら嬢様の
聟君
(
むこぎみ
)
を択ぶ権は俺にあるんだ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
光秀は、自身、幼年から斎藤家に身をおいて、旧主道三山城守に
扈従
(
こじゅう
)
して、その
聟君
(
むこぎみ
)
たる彼の人間も眼に
観
(
み
)
ているので、いうところには、根拠があった。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
を
越
(
こ
)
して
大奧
(
おほおく
)
にも
高
(
たか
)
く、お
約束
(
やくそく
)
の
聟君
(
むこぎみ
)
洋行中
(
やうかうちう
)
にて、
寐覺
(
ねざめ
)
を
寫眞
(
しやしん
)
に
物
(
もの
)
がたる
總領
(
そうりやう
)
の
令孃
(
ひめ
)
さへ、
垣根
(
かきね
)
の
櫻
(
さくら
)
折
(
を
)
れかし
吾助
(
ごすけ
)
、いさヽかの
用事
(
ようじ
)
にて
大層
(
たいそう
)
らしく、
御褒美
(
ごはうび
)
に
賜
(
たま
)
はる
菓子
(
くわし
)
の
花紅葉
(
はなもみぢ
)
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「このたびの、御縁組でございまする。佐々どのの御本心は、決して御両家の和をおもうておられるのでもなし、利家様の御次男を、自身の姫の
聟君
(
むこぎみ
)
へ、心から望んでいるのでもありませぬ」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
雪三
(
せつざう
)
斷然
(
だんぜん
)
お
斷
(
ことは
)
り申す
御歸邸
(
ごきてい
)
のうへ
御前体
(
ごぜんてい
)
よろしく
仰
(
おほ
)
せ
上
(
あ
)
げられたしといひ
放
(
はな
)
てば、
然
(
さ
)
る
仰
(
おぼ
)
せあらんとは
存
(
ぞん
)
ぜしなり、
然
(
しか
)
らば
聟君
(
むこぎみ
)
としては
迎
(
むか
)
へさせ
給
(
たま
)
はずやといふ、
否
(
いな
)
とよ
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
に
御身分柄
(
ごみぶんがら
)
つり
合
(
あ
)
はず
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「親としては、あの温厚で沈着な犬千代どのなら、よい
聟君
(
むこぎみ
)
と、実はよろこんで——約束までしてしもうたわけでござるが、なんとよ、近ごろの娘は、親の眼がねにも、そのことばかりはと、素直には、
頷
(
うなず
)
かぬのじゃ」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
聟
漢検1級
部首:⽿
14画
君
常用漢字
小3
部首:⼝
7画
“聟君”で始まる語句
聟君撰