サン)” の例文
こんなのが冬のサンモリッツを作る中枢系統なんだから、純粋にスポウツそのもののためにやって来る人は比較的少数だと断定していい。
踊る地平線:11 白い謝肉祭 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
サンセバスティアンの殉教」も同じくコッポラの指揮でビクターに(JD一—二)。「イベリア」も同様(ビクターJD八五〇—二)。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
くだくだしきルナアル保険会社の長広舌のうちに、汽車は無事にサンジェルヴェの駅に到着。ここでP・L・Mパリ・リヨン・メディティラーネの本線はおしまい。
ゴアの耶蘇会ジェスイットセントパウロ会堂において、サンフランシスコ・シャヴィエル上人の腸丸ちょうがんをうけ、それをこの遺物筐シリケきょうに収めて、童子の片腕となす。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
車のサンジヨワンニイの門(ポルタ、サン、ジヨワンニイ)より入るとき、公子は我を顧みて、いかに樂しき景色にはあらずやと宣給へり。
当時の僕は「サンアントワンの誘惑」も、ちゃんと心得ているような顔をしていたが、実はあの紫色の本のごやっかいになっていたのである。
仏蘭西文学と僕 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「私の観るところは、あなたの観るところと同じです。からくりはサンマテオ市に潜んでいる。聖マテオ市から着手す可きです」
土から手が (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
請ふ告げよ、サンジョヴァンニの羊のをりはその頃いかばかり大いなりしや、またその内にて高座かみざに就くにふさはしき民は誰なりしや。 二五—二七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
イタリアでアシジのサンフランチェスコの遺跡を見たので、エスパーニャではサンロヨラの遺跡を見たいものだと思つてゐた。
聖ロヨラ (旧字旧仮名) / 野上豊一郎(著)
たくさんの人々にとりかこまれた古いサンマルティンの尊像がしずしずと近づいて来ていたのです。その御利益ごりやくで二人の病気はもうなおり始めていたのです。
かたわ者 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
騎馬で愛宕の石段登るを日本でむるが、外国には豪い奴もあって、一六八〇年一人白馬に騎り、ヴェニースの埠頭からサンマルコ塔の頂まで引っ張った六百フィート長い綱を走り登る。
そして彼は、私の銀箔ぎんぱくの訪問服へサンエミリオンの葡萄酒でその頃理論的に評判のよかったサンジカリズムの絵を描いてくれました。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
「一四一四年サンガル寺発掘記」の他二冊を脇に取り除け、綸子りんず尚武革しょうぶがわを斜めに貼り混ぜた美々しい装幀の一冊を突き出すと
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その三月三日の夕方、サンマテオ行きの汽車へ乗るすこし前に、アイネは桑港へ出て、結婚している弟フランク・リィドの家で晩飯を緒にしている。
土から手が (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
一八五八年にはサンクロティルド教会のオルガン奏者の地位を得、ほとんど終世この職に踏みとどまって、オルガニストとして確固かっこたる名声を保ち続けた。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
手当たりしだいどれでもござれに、ざっと眼を通したのである。その中でも覚えているのは、フロオベルに「サンアントワンの誘惑」という小説がある。
仏蘭西文学と僕 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
サンドゥニ、聖ジュヌヴィエヴなどの時代を経て、シャールマーニュ帝の頃また大いに発展し、くだってカペ朝のフィリプ・オーギュストはパリを拡張し
パリの地下牢 (新字新仮名) / 野上豊一郎(著)
サンアントニウス寺の七穹窿は、恰も好し月光に耀けり。柱列の間には行人絡繹らくえきとして、そのさまいと樂しげなれども、われは獨り心の無聊ぶれうに堪へざりき。
「おれのこの御殿もたからも今日きょうからサンマルティンのものになってしまうのだ。おれの財産は今日からなんにもなくなるのだ。サンマルティンのちくしょうめ」
かたわ者 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
サルヴァドル国コスタ・リカ共和国、……諸君はサンシェージュ王国というのを聞いたことがありますか。
サンモリッツのとぼがんの記録は、ついに一時間七十マイルを突発している。例のモリッツ名物CRESTA・RUNというのがこれである。
踊る地平線:11 白い謝肉祭 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
それがさっぱり見当が付いていない——マテスン氏とジュエル鑑識課長は其の儘桑港へ引き返してふたたびサンマテオに於けるガフ刑事の活動に移る。
土から手が (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
ねえ久我さん、サンステファノ条約でさえも、猶太人の待遇には、その末節の一部を緩和したにすぎなかったのです。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
サンアントニオと我馬との思召だにくるはずば、正三時には出で立つべし。されど明日はむづかしき日にて候ふ。税關の調べ二度、手形の改め三度あるべし。
その理由は、この町の守り本尊にサンマルティンというえらい聖者の木像があって、それにがんをかけると、どんな病気でもかたわでもすぐなおってしまうからでした。
かたわ者 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
私にとつて思ひ出して興味のあるのはルーベンスの描いたサンイグナシオ・ロヨラの肖像である。
ウォリクの城 (旧字旧仮名) / 野上豊一郎(著)
一九〇八年「子供の領分」を書き、翌々年「サンセバスチアンの殉教じゅんきょう」を初演した。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
あたしたち(あたし、六右衛門さん、長謙さん、珠子さん、満寿子さん、島野の鸛一かんいちさん)はサンフロランタンとリュウ・ド・リヴォリが出あう角のグルネルさんの四階の窓から見ていた。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
シャヴァンヌのサン・ジュヌヴィエヴのごとく、月の光に照らされた瓦屋根を眺めて立っていたが、やがてくさめを一つすると、窓の障子をばたりとしめて、また元の机のきわへ横坐りに坐ってしまった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ケニンガム夫人のウィンタア・スポウツに対する観念は、DORFとBADのサンモリッツじゅうに有名なほど、それは独特なものだった。
踊る地平線:11 白い謝肉祭 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
神聖月曜日にもサンルフィノ寺院で式があるから、昨日のものとは違った服装をさせようという母の心尽しがすぐ知れた。クララは嬉しく有難く思いながらそれを着た。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
各方面からの命いは猛烈をきわめたもので、本人はすっかりその効果を信じているから、サンラザアルの刑務所で悠々閑々ゆうゆうかんかん、あの嘘八百の告白体自伝はここで書いたのだ。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
サンルイが第七・第八十字軍遠征から持って帰った遺物(今はノートル・ダームの宝蔵にある)を納めて礼拝するために建てたもので、フランス建築史の上では最も重要な建物の一つである。
パリの地下牢 (新字新仮名) / 野上豊一郎(著)
そこで私はただサンマルタン水族館の門番のように、黙ったままこころのなかで彼女の足へ最敬礼することで満足したのである。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
「今日の火曜日と——木曜日の真夜中に、コロナ号がバルセロナを抜錨ばつびょうする。サンナザアルへ入港はいるのが来週の水曜日と見て、そうですね、金曜日にはまちがいなく届くでしょう。」
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
クララは父母や妹たちより少しおくれて、朝の礼拝れいはいサンルフィノ寺院に出かけて行った。在家ざいけの生活の最後の日だと思うと、さすがに名残が惜しまれて、彼女は心を凝らして化粧をした。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
サンルイ島〉で、左がイル・ド・ラ・シテである。
パリの地下牢 (新字新仮名) / 野上豊一郎(著)
サンミシェル街の酒場、大入繁盛のLA・TOTOの一卓で、数十年来この巴里パリーの「不鮮明な隅オブスキュア・コウナア」に巣をくっている大親分、日本老人アンリ・アラキと
投獄されたのは、サンラザアル刑務所だった。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
海岸通りサンジュアンの酒場タベルナ山の手バイロ・アルト「マルガリイダの家」にしこたまお金が落ちて、僕はリンピイの鞄と支那人の顔を提げて新入港の船へ通い、そこへ
サンジュアンの酒場でしこたま燃える水アグワルデンテをあおって、すっかり「腹の虫」と自分の意識を殺しちまった跛者リンピイリンプは、わざとがるしあ・もれの号の上海シャンハイ隊を待って
この、ともしびのつき初めた巴里の雑沓へ、北停車場ガル・ドュ・クウなりサンラザアルなりから吐き出される瞬間の処女のような君のときめき、それほど溌剌はつらつたる愉悦はほかにあり得まい。
ジョリエットやサンラザアルの貧民街から出て来る船乗りの遺族たち。海岸の木棚の共同墓碑。「故何のたれ——海で死んだ。その父のごとく、また祖父のごとく。」
伊太利イタリーRIVIERAのサンレモで、眼と声の腐った不潔な少女達が悪魔よけの陶製の陽物と一しょに売ってる、羅馬ローマ皮に金ぴかの戦車を飛び模様に置いた手提バッグをあけて
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
ボルドオからサンセバスチャンを経てMADRIDへ辿り着いたジョウジ・タニイ——それは陸橋に月が懸って、住宅の根元の雑草にBO・BOと驢馬の鳴く晩だった——が
着く早々「女の見世物」をあさりに飛び出すはずだったが、ま、もすこし我慢しておしまいまで聞くとして、さて——いやに星のちかちかするPARISの夜、サンミシェルの酒場
夜のドン・キホウテとサンチョ・パンザの人影が霧にぼやけて、サンフランシスコ寺院の鐘も鳴らず、一晩じゅう戸外を笑い歩くマドリッドの町民もいまは短い明け方の眠りを眠っている。
マラガ生れの水夫長ボウシン、パナマ運河コロン市から来た半黒はんぐろの三等火夫、濠州ワラルウの石炭夫コウル・バサア、ジブロウタの倉番ストッキサンジャゴの料理人、ロッテルダムの給仕、各国人種から成る海の無産者と
何しろ、襯衣シャツ一枚きりないものは、その一まいの襯衣シャツを質におき、近在近郷の百姓はもちろん、サンフランシスコ寺院前の女乞食も、常用のよごれた肩掛マンテラを売り飛ばしてさえ出てくるこの大闘牛日だ。
黒服のサンモウル派。ノウトルダムの高塔。薄陽うすび。マルセイユ出帆。