群衆ぐんしゅう)” の例文
群衆ぐんしゅうの人波にもまれて、感心して立ち止まったこともあった。これで大都会というものがどんなふうにできあがっているかという考えがほぼできてきた。
子供こどもは、しょんぼりとそこをりました。このあわれなさま若者わかものは、群衆ぐんしゅうにくらしくおもいました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ここぞとばかり、いきせきってけた群衆ぐんしゅう苦笑くしょうのうちに見守みまもっていたのは、飴売あめうり土平どへいだった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
果然かぜん——前の日よりもすさまじい群衆ぐんしゅう怒濤どとうが、御岳の頂上ちょうじょう矢来押やらいおしにつめかけた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
群衆ぐんしゅうに囲まれた広場の、博士はくしの足もとの地上に、はじめはかすかに、それから少しずつ……半透明はんとうめいの人の形をした物が姿をあらわし、まもなく、若い男のはだかきずだらけのからだがよこたわっているのが
この問答もんだふのうちに、二人ふたりはやゝ群衆ぐんしゅうはなるゝ。
このとき、突然とつぜん軍歌ぐんかこえが、停車場ていしゃばほうにあたってきかれたのでした。かれは、はじかれたように、群衆ぐんしゅうからて、いそあしで、そのこえのするほうへとかったのです。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
群衆ぐんしゅうはさっそくってしまった。二、三人ひまじんのこっていまの事件じけんろんじ合っていた。
そして、遠雷えんらいのような群衆ぐんしゅうのどよめきが、あとしばらくのあいだ、空にえなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、それが群衆ぐんしゅうとなると、いっそう露骨ろこつにぶえんりょに爆発ばくはつしてくるのだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つかまえてみせなければ、かねをやらないぞ。」と、群衆ぐんしゅう口々くちぐちさけびました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこでわれわれのあとからついて来る群衆ぐんしゅうの数が相応そうおうになると、さっそく演芸えんげいを始めるが、ほんの二、三人気まぐれなやかしのお客だけだとみると、わざわざ足を止める値打ねうちもないので
群衆ぐんしゅうはかれの道化芝居どうけしばいをおかしがって手をたたいた。
群衆ぐんしゅうなかには、さけったおとこがいました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
群衆ぐんしゅうは、口々くちぐちにそんなことをいいました。
黒い人と赤いそり (新字新仮名) / 小川未明(著)