“半透明”の読み方と例文
読み方割合
はんとうめい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
別段食いたくはないが、あの肌合はだあいなめらかに、緻密ちみつに、しかも半透明はんとうめいに光線を受ける具合は、どう見ても一個の美術品だ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
半透明はんとうめいにおやかなもやに包まれたかと思うと、その靄の中で、近々とやわらかに彼女の眼が光って、ひらたい唇が熱っぽく息づき、歯がだんだん見えてきて
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
円錐えんすい形の、しりとがった大きな柹であるが、真っ赤に熟し切って半透明はんとうめいになった果実は、あたかもゴムのふくろのごとくふくらんでぶくぶくしながら、日にかすと琅玕ろうかんたまのように美しい。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)