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絨緞
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じゅうたん
ふりがな文庫
“
絨緞
(
じゅうたん
)” の例文
もっともその煉瓦のうえには、立派な
絨緞
(
じゅうたん
)
が
敷
(
し
)
いてあったが、それは小さくて、本棚の下は
煉瓦
(
れんが
)
だけがむき出しになっていた。
什器破壊業事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼自身もまた、「文芸の大製作所の
片隅
(
かたすみ
)
に、古い
絨緞
(
じゅうたん
)
を繕ったり
廃
(
すた
)
れた古代の
鎗
(
やり
)
をみがいたり」してるところを示していた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
絨緞
(
じゅうたん
)
の上についた足跡を消して露台に近づき、再び少女たちの方を振り向いて丁寧に頭を下げ、つとそのまま姿を消した。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
色の白い奥さんの頬の
黒子
(
ほくろ
)
から
絨緞
(
じゅうたん
)
の模様までを、思い出すことが出来るし、ある折、ぼくを独り遊ばせておいて、奥さんと主人の小沼さんが
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
絨緞
(
じゅうたん
)
を織る工場の女工なんぞが通り掛かって、あの人達は木の下で何をしているのだろうと云って、驚いて見ていました。
かのように
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
また榻の
脚下
(
あしもと
)
になったほうには、
絨緞
(
じゅうたん
)
の上に
蒲団
(
ふとん
)
を敷いて五六人の男が坐っていたが、これも
俯向
(
うつむ
)
いたり、
後
(
うしろ
)
の壁に寄っかかったりして眠っていた。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
錆
(
さ
)
びた朱いろの
絨緞
(
じゅうたん
)
を敷きつめたところどころに、外国製らしい獣皮の
剥製
(
はくせい
)
が置いてあり、
石膏
(
せっこう
)
の女神像や銅像の武者像などが、規律よく並んでいる。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
あの正面玄関の
緋
(
ひ
)
の
絨緞
(
じゅうたん
)
が敷かれてある階段の両側に並んで立っている案内嬢たちがおそろしく、レストランへはいると、自分の背後にひっそり立って
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
気がつくと、
瑜伽
(
ナル・ヨル
)
、
秘密修験
(
サン・ナク
)
の大密画のある、うつくしい部屋に
臥
(
ね
)
かされていた。黄色い絹の天蓋に、
和闐
(
ホータン
)
の
絨緞
(
じゅうたん
)
。一見して、
活仏
(
げぶつ
)
の部屋であるのが分る。
人外魔境:03 天母峰
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
時としては書棚のいろいろな書物の間に、時としては床の
絨緞
(
じゅうたん
)
の下に隠していることも、とうの昔から知ってい
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
日が一ぱいに
射
(
さ
)
して
絨緞
(
じゅうたん
)
の花のもやうが燃えるやうに見えました。てかてかした
円卓
(
まるテーブル
)
の上にまっ白な
皿
(
さら
)
があってその上に立派な二房の黒ぶだうが置いてありました。
黒ぶだう
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
二階に
絨緞
(
じゅうたん
)
が敷かれ洋館になった。お母さんが珍しく外出すると思ったら
月琴
(
げっきん
)
を習いにゆくのだった。譜本をだして父に説明していた、父は月琴をとって器用に弾いた。
旧聞日本橋:10 勝川花菊の一生
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
自分の両足の下の藍色の
絨緞
(
じゅうたん
)
と、その上に散乱した料理や皿の平面が、前後左右にユラリユラリと傾きまわるばっかりで、どうしても考えを纏めることが出来なかった。
けむりを吐かぬ煙突
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
まことに美しい掛け時計、美しい
絨緞
(
じゅうたん
)
、美しい召し使いの服装である。こんなものはどんなにかわずらわしいにちがいない。おお私はこんな贅沢物なんかは実にいやである。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
黒き箪笥の
傍
(
そば
)
に、廊下より
入
(
い
)
り
来
(
く
)
るようになりおる入口あり。右手の壁の前には、窓に近き処に寝椅子あり。これに
絨緞
(
じゅうたん
)
を掛く。その上にはまた
金糸
(
きんし
)
の
繍
(
ぬい
)
ある派手なる
帛
(
きれ
)
を
拡
(
ひろ
)
げあり。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
そこは日本の畳の上に
絨緞
(
じゅうたん
)
を敷いて、椅子やテーブルを
列
(
なら
)
べてあるのであった。
深見夫人の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
入り口から引き続いて長い廊下一面に敷き詰めた
絨緞
(
じゅうたん
)
にも、どっしりとした
樫
(
オーク
)
の椅子
卓子
(
テーブル
)
やあるいは、重く垂れた
帷
(
とばり
)
、そこから見えるよく手入れのゆき届いた美しい庭の芝生や木立ち等
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
ここは南蛮屋の奥座敷、屋号に似つかわしい南蛮風の部屋で、青い
絨緞
(
じゅうたん
)
、オレンジ色の壁、
白堊
(
はくあ
)
の天井、
黒檀細工
(
こくたんざいく
)
の円卓、ギヤマン細工のランプなど、この時代には珍しい、異国趣味が漂っている。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
空は海綿に以た大きな雲で覆われていた。また、鉄板の腰衣をまとった男女の大理石像もあった。人々は足音も聞えないほど柔かな
絨緞
(
じゅうたん
)
の上を歩いていった。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
時としては床の
絨緞
(
じゅうたん
)
の下に隠していることも、とうの昔から知っている。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
旦那様は、たしかに居間の
絨緞
(
じゅうたん
)
のうえに
大
(
だい
)
の
字
(
じ
)
にのびて死んでいた。
什器破壊業事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
秀麿の
銜
(
くわ
)
えている葉巻の白い灰が、だいぶ長くなって持っていたのが、とうとう折れて、運動椅子に
倚
(
よ
)
り掛かっている秀麿のチョッキの上に、細い
鱗
(
うろこ
)
のような破片を
留
(
と
)
めて、
絨緞
(
じゅうたん
)
の上に落ちて砕けた。
かのように
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
応接間の立派な
絨緞
(
じゅうたん
)
で靴の泥を存分に押し
拭
(
ぬぐ
)
ってくれた。
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
ある夕方、やや
褪
(
あ
)
せた
温
(
あたた
)
かい色彩の東方産の
絨緞
(
じゅうたん
)
のような柔らかい空が、薄暗い都会の上に広がってる時、クリストフは河岸通りに沿って、ノートル・ダームからアンヴァリードの方へやって行った。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
“絨緞(
絨毯
)”の解説
絨毯(じゅうたん、絨緞)とは、一般的には経糸(たていと)と緯糸(よこいと)、パイル(毛羽)の構造を持つ織物の総称。ただ、歴史的には各地域や各言語で多様な呼称、形態で存在しており、特にトルコ、エジプト、イラン、トルクメン、コーカサス、中央アジア、インドなどで生産されるものは「オリエント絨毯」と呼ばれている。カーペットとも呼ばれる。
(出典:Wikipedia)
絨
漢検1級
部首:⽷
12画
緞
漢検1級
部首:⽷
15画
“絨”で始まる語句
絨毯
絨氈
絨毛
絨壇
絨氎
絨
絨帳
絨繵
絨衣
絨鍛