“じゅうたん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
絨毯48.6%
絨氈38.4%
絨緞10.3%
絨氎0.5%
毛氈0.5%
獣炭0.5%
絨壇0.5%
絨鍛0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その広い座敷がただ一枚の絨毯じゅうたんで敷きつめられて、四角よすみだけがわずかばかりはなやかな織物の色とうために、薄暗く光っている。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
義歯いればの壊れたのがダラリと唇から流れ出した。そいつを一本背負いに支那絨氈じゅうたんの上にタタキ付けると同時に、轟然とピストルが鳴った。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
彼自身もまた、「文芸の大製作所の片隅かたすみに、古い絨緞じゅうたんを繕ったりすたれた古代のやりをみがいたり」してるところを示していた。
K君の部屋は美くしい絨氎じゅうたんが敷いてあって、白絹しらぎぬ窓掛まどかけが下がっていて、立派な安楽椅子とロッキング・チェアが備えつけてある上に、小さな寝室が別に附属している。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
椅子を用いべきところを、絨氎じゅうたんを敷いて、普通のたたみのごとくに想像して坐っている。ところが敷物が狭いので、四方とも二尺がたは、つるつるした板の間がしに光っている。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は、蓮華草れんげそうが紅い毛氈じゅうたんのように咲いた田へ、長々と寝そべりながら、ひねもす雲雀の行方ゆくえを眺めていたことがあった。
探巣遅日 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
鹽原しおばら多助が忠孝の道を炭荷とともに重んじ。節義はあたか固炭かたずみの固くとって動かぬのみか。獣炭じゅうたんを作りて酒をあたゝめししん羊琇ようじゅうためしならい。自己おのれを節して費用を省き。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
手摺てすりからマストまで紅白の布で巻き立てて、毛氈もうせん絨壇じゅうたんを敷き詰めた上に、珍味佳肴かこうが山積して在る。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そして、四辺あたり一面の血の海は、次々と発見された事件の衝動に麻痺まひされた一同の心に、只燃えつつある絨鍛じゅうたんの如くに映った。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)