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紺屋
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こんや
ふりがな文庫
“
紺屋
(
こんや
)” の例文
それはちょうど、
紺屋
(
こんや
)
の
藍瓶
(
あいがめ
)
の中へ落ちた者が、あわてふためいて瓶から
這
(
は
)
い上るような形であります。
面
(
かお
)
も着物も真黒でありました。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「どうせ、おめえ
等
(
ら
)
やうに
紺屋
(
こんや
)
の
弟子
(
でし
)
見
(
み
)
てえな
手足
(
てあし
)
の
者
(
も
)
な
牛蒡
(
ごばう
)
でも
檐
(
かつ
)
いで
歩
(
ある
)
くのにや
丁度
(
ちやうど
)
よかんべ」
復讎
(
ふくしう
)
でも
仕得
(
しえ
)
たやうな
容子
(
ようす
)
で
爺
(
ぢい
)
さんはいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
三十三
所
(
じょ
)
と
彫
(
ほ
)
ってある
石標
(
せきひょう
)
を右に見て、
紺屋
(
こんや
)
の横町を半丁ほど西へ
這入
(
はい
)
るとわが
家
(
や
)
の
門口
(
かどぐち
)
へ出る、
家
(
いえ
)
のなかは暗い。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
扨
(
さて
)
も常樂院は
紺屋
(
こんや
)
五郎兵衞を初め四人の者共に威を示し
甘々
(
うま/\
)
と用金を出させんと先
本堂
(
ほんだう
)
の客殿に
請
(
しやう
)
じ
例
(
れい
)
の正面の
簾
(
みす
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
かくて
紺屋
(
こんや
)
七兵衛かくれゐたる
戸棚
(
とだな
)
よりはひいで、さても
怖
(
おそろ
)
しきものを見つる事かな、いかに法師なればとてよくぞ
剃刀
(
かみそり
)
をあて玉ひたる、たゞ見るさへおそろしかりき
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
そういう町々には、
紺屋
(
こんや
)
町とか
箪笥
(
たんす
)
町とか
塗屋
(
ぬしや
)
町とか
鋳物師
(
いもじ
)
町とか呼ぶ名さえ残ります。日本におけるそういう町の名を集めたら、面白い一冊子さえ編めるでありましょう。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
それから糸にしてからも、
紺
(
こん
)
は手染めができないので、あの頃ぽつぽつできていた職業の
紺屋
(
こんや
)
に
誂
(
あつら
)
えて染めさせ、
機
(
はた
)
を立てる段になって始めて女の手わざに移ったのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
もう町には灯が
燈
(
とも
)
っていた。伏原半蔵の間借りしている
紺屋
(
こんや
)
の二階を訪ねてみると
死んだ千鳥
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「万有世界の哲学的象徴とでも云うんだろう。よく一人の頭でこんなに並べられたもんだね。
紺屋
(
こんや
)
の
上絵師
(
うわえし
)
と哲学者と云う論文でも書く気じゃないか」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
催
(
もよほ
)
し
講中
(
かうちう
)
の内にて
紺屋
(
こんや
)
五郎兵衞
蒔繪師
(
まきゑし
)
三右衞門米屋六兵衞
呉服屋
(
ごふくや
)
又兵衞の四
人
(
にん
)
を跡へ止め
別段
(
べつだん
)
に
酒肴
(
しゆかう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
東京には
箪笥
(
たんす
)
町とか
鍛冶
(
かじ
)
町とか
白銀
(
しろがね
)
町とか
人形
(
にんぎょう
)
町とか
紺屋
(
こんや
)
町とか
弓
(
ゆみ
)
町とか
錦
(
にしき
)
町とか、手仕事に
因
(
ちな
)
んだ町が色々ありますが、もう仕事の
面影
(
おもかげ
)
を残している所はほとんどなくなりました。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
鍛冶
(
かじ
)
町だの、槍町だの、
紺屋
(
こんや
)
町だの、畳町だの、職人色に町がわかれていた。大工町の半瓦の家は、その中でひどく変っていた。屋根の半分が瓦で
葺
(
ふ
)
いてあるのが、誰の眼にもついた。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
○さるほどに
源教
(
げんけう
)
いほりにかへりて、
朝日
(
あけのひ
)
人をたのみて
旧来
(
としごろ
)
親
(
した
)
しき
同
(
おな
)
じ村の
紺屋
(
こんや
)
七兵衛をまねき、昨夜かう/\の事ありしとお
菊
(
きく
)
が
幽霊
(
いうれい
)
の㕝をこまかに
語
(
かた
)
り、お菊が
亡魂
(
まうこん
)
今夜
(
こよひ
)
かならずきたるべし
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
“紺屋”の意味
《名詞》
紺屋(こうや 「こんや」のウ音便化)
染物屋。もとは藍染を言ったが後に染物全般を言う。
(出典:Wiktionary)
“紺屋”の解説
紺屋(こうや、こんや)とは江戸時代に染め物屋をさした言葉。もしくは、その店の主人を指す。
むらさき屋とも。
(出典:Wikipedia)
紺
常用漢字
中学
部首:⽷
11画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“紺屋”で始まる語句
紺屋町
紺屋型
紺屋橋
紺屋糊
紺屋高尾