石油せきゆ)” の例文
おとこは、こちらの石油せきゆかんのふたをりました。青々あおあおとした、強烈きょうれつ香気こうき発散はっさんする液体えきたい半分はんぶんほどもかんのなかになみなみとしていました。
火を点ず (新字新仮名) / 小川未明(著)
さっき石油せきゆがこぼれたと思うあたりに、足で下に落ちているむしろをおしやり、手に持った一枚のもえかけたむしろを、たてのようにからだの前にかざしながら、足さきで
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
なんでも石油せきゆいて、それでふね自由じいうにする器械きかいなんださうですが、いてると餘程よつぽど重寶ちようはうなものらしいんですよ。それさへければ、ふね手間てままるはぶけるとかでね。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いつかアルコールがなくなったとき石油せきゆをつかったら、かんがすっかりすすけたよ
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
石油せきゆくわんを地にげてするどに泣けど
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その言葉ことば調子ちょうしには、こうがったら、どんなに石油せきゆるものはもうかるだろうというようにかれたのです。
火を点ず (新字新仮名) / 小川未明(著)
四つんばいになると、さっきげだした、シグナル・ランプのこわれがジャリジャリと手のひらにさわる。なまぐさいさかなのにおいにまじって、こぼれた石油せきゆがプンとはなをうつ。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
なほもまたやす石油せきゆむせ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
もっとも、おとこには、わかよめがありました。としをとった母親ははおやもあったようです。ちいさなみせだけで、石油せきゆるのでは、らしがたたなかったのかもしれない。
火を点ず (新字新仮名) / 小川未明(著)
石油せきゆ……にじむ素足すあし
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いくねんまえからかしれない、石油せきゆのしみや、ほこりが、ランプのガラスについていました。
青いランプ (新字新仮名) / 小川未明(著)
石油せきゆける時代じだいはすぎて、いまでは、どんな田舎いなかへいっても、電燈でんとうをつけるようになりましたが、まれに、不便ふべんなところでは、まだランプをともしているところもあります。
青いランプ (新字新仮名) / 小川未明(著)
石油せきゆってきて、ランプにぎました。そのうちに、は、れてしまいました。まどからは、きたあらうみえます。あきからふゆにかけて、くものかからないすくなかったのであります。
青いランプ (新字新仮名) / 小川未明(著)