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疫病
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えきびょう
ふりがな文庫
“
疫病
(
えきびょう
)” の例文
そういう後には必ず
旱
(
ひでり
)
がつづくもので、
疫病
(
えきびょう
)
が
流行
(
はや
)
りだすと、たちまち、部落も
駅路
(
うまやじ
)
も、病人のうめきにみちてしまった。都は最もひどかった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また宗教として人間苦の体験が必須の条件であるというならば、
饑饉
(
ききん
)
と
疫病
(
えきびょう
)
との頻発する当時の生活には、人生の
惨苦
(
さんく
)
は欠けていないと答えることができる。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
心のなかで彼を
呪
(
のろ
)
うべき苦い理由を持たなかった所がいずこにあったか? 不可解な彼の
暴虐
(
ぼうぎゃく
)
から、私はとうとう戦々
兢々
(
きょうきょう
)
として
疫病
(
えきびょう
)
から逃げるように逃げた。
ウィリアム・ウィルスン
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
村
(
むら
)
の
人
(
ひと
)
たちは、
集
(
あつ
)
まって
相談
(
そうだん
)
をしました。そして、二
枚
(
まい
)
の
小判
(
こばん
)
を
薬売
(
くすりう
)
りにやりました。
薬売
(
くすりう
)
りは
疫病
(
えきびょう
)
にきく
薬
(
くすり
)
の
製造法
(
せいぞうほう
)
と、
下熱剤
(
げねつざい
)
の
造
(
つく
)
り
方
(
かた
)
を
村
(
むら
)
の
人
(
ひと
)
に
伝授
(
でんじゅ
)
しました。
おばあさんと黒ねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夜、
闇
(
やみ
)
の中を
跳梁
(
ちょうりょう
)
するリル、その
雌
(
めす
)
のリリツ、
疫病
(
えきびょう
)
をふり
撒
(
ま
)
くナムタル、死者の霊エティンム、
誘拐者
(
ゆうかいしゃ
)
ラバス
等
(
など
)
、数知れぬ
悪霊
(
あくりょう
)
共がアッシリヤの空に
充
(
み
)
ち満ちている。
文字禍
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
「ほんとにお前の云う通り戦争ほど恐ろしいものはない。戦争は
疫病
(
えきびょう
)
よりもっと怖い。その怖い
厭
(
いや
)
な戦争がまた一つ手近かに起こるなんて何んという不幸せのことだろう」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「気の弱いことをおっしゃいますな。だいたい
疫病
(
えきびょう
)
は罹病期間のあるものです。その期間をすぎてしまうと生命に別条はありません。私が毎日まいってお世話申しあげましょう」
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
そこで、食料の欠乏や、日射病や、
疫病
(
えきびょう
)
で、沙漠の上へバタバタ倒れる。その屍体をふみこえて、狂信の群がコーランを誦しながら、ただ無茶苦茶に聖地をさして歩くのである。
勉強記
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
ところで、悲惨なことに——あんぽんたんにとっても悲惨なことに、源泉学校は(前出)やっと尋常代用小学校となったのに、校長秋山先生が
疫病
(
えきびょう
)
で急に死んで学校がなくなった。
旧聞日本橋:21 議事堂炎上
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
武塔天神は今の京都の八坂神社、俗に
祇園
(
ぎおん
)
さんという
疫病
(
えきびょう
)
の
大神
(
おおかみ
)
であったという。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
それによると女の父は、この
川上
(
かわかみ
)
の部落の
長
(
おさ
)
をしている、
足名椎
(
あしなつち
)
と云うものであった。ところが近頃部落の
男女
(
なんによ
)
が、続々と
疫病
(
えきびょう
)
に
仆
(
たお
)
れるため、足名椎は早速
巫女
(
みこ
)
に命じて、神々の心を尋ねさせた。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「以前の城門街あたりに、みすぼらしい
茅屋
(
あばらや
)
が、数百戸あるようです。——それも連年の
飢饉
(
ききん
)
や
疫病
(
えきびょう
)
のために、辛くも暮している民ばかりのようです」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三
本
(
ぼん
)
は、
顔
(
かお
)
を
見合
(
みあ
)
わせて、こんな
話
(
はなし
)
をしていました。そのうち
一人
(
ひとり
)
が
悪
(
わる
)
い
疫病
(
えきびょう
)
にかかりました。
金が出ずに、なしの産まれた話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
疫病
(
えきびょう
)
にきく、
毒下
(
どくくだ
)
しの
薬袋
(
くすりぶくろ
)
には
黒
(
くろ
)
ねこの
絵
(
え
)
を
描
(
か
)
き、
下熱剤
(
げねつざい
)
の
薬袋
(
くすりぶくろ
)
にはからすの
絵
(
え
)
を
描
(
か
)
きました。
村
(
むら
)
の
人
(
ひと
)
は、
造
(
つく
)
った
薬
(
くすり
)
をおぶって、それから、
山
(
やま
)
を
越
(
こ
)
えて
他国
(
たこく
)
へ
売
(
う
)
りに
出
(
で
)
てゆきました。
おばあさんと黒ねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして、七日七夜の
祈祷
(
きとう
)
を行うてくれたため、民間の
疫病
(
えきびょう
)
は、たちまち
熄
(
や
)
み、都府の市色も明るくなった。げに、天師の
功力
(
くりき
)
のあらたかなこと、汝が帰るよりも早かったぞ。洪よ、安心せい
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
疫病
(
えきびょう
)
、
飢饉
(
ききん
)
、盗賊の横行、民は飢えつかれている。みなこれ戦乱のせいだ。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もし、ご
結婚
(
けっこん
)
をなされば、この
国
(
くに
)
に
疫病
(
えきびょう
)
が
流行
(
りゅうこう
)
します。
赤い姫と黒い皇子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“疫病”の意味
《名詞》
疫 病(えきびょう)
人や動物に次々と感染していく病気。
(出典:Wiktionary)
“疫病”の解説
疫病(えきびょう、やくびょう)とは、集団発生する伝染病・流行のこと。
(出典:Wikipedia)
疫
常用漢字
中学
部首:⽧
9画
病
常用漢字
小3
部首:⽧
10画
“疫病”で始まる語句
疫病神
疫病除
疫病等
疫病顔