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生計
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たつき
ふりがな文庫
“
生計
(
たつき
)” の例文
起き出でし時の心細さ、かゝる思ひをば、
生計
(
たつき
)
に苦みて、けふの日の食なかりし折にもせざりき。これ彼が第一の
書
(
ふみ
)
の
略
(
あらまし
)
なり。
舞姫
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼此
(
かれこれ
)
似つかはしき中なるに、マリアが所有なりといふカラブリアの地面はいと廣しといへば、おん
二人
(
ふたり
)
の
生計
(
たつき
)
さへ豐かなることを得べきならん。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
小鳥を刺してそれをその日その日の
生計
(
たつき
)
の
料
(
しろ
)
にしている鳥刺しが、獲物を入れるべき袋を腰にしていないということは、大いに
不埓千万
(
ふらちせんばん
)
なのです。
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
竹腰と道家はそこから
己
(
じぶん
)
の
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
に帰って、不思議な老人に教えられた時機の来るのを待っていた。二人はその間の
生計
(
たつき
)
に野へ出て
獣
(
けもの
)
を
狩
(
か
)
っていた。
赤い土の壺
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
なんとかして老後の
生計
(
たつき
)
を考えておかなければなるまいと思って、それを夫に相談すると、蛇吉はうなずいた。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
戯作なんてもなア、ほかに
生計
(
たつき
)
の道のある者が、楽しみ半分にやるなアいいが、こいつで暮しを立てようッたって、そううまくは問屋で卸しちゃくれねえわな
曲亭馬琴
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
若山は、昔なら浪人の手習師匠、由緒ある
士
(
さむらい
)
がしばし世を忍ぶ
生計
(
たつき
)
によくある私塾を開いた。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
尾羽打枯した浪人の
生計
(
たつき
)
、致し方なく斯様な
営業
(
なりわい
)
をいたして居り、誠に恥入りました訳で、松蔭殿にお目通りを致しますのも間の悪い事でございますが、構わんから参れと
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『やめよ、やめよ。俵も風に舞わねば食えぬ世間とか、みながいう。盗人も、かせぎのたびに捕まっては、その者は、獄で食えても、盗人の妻子は、
生計
(
たつき
)
がたつまい。……のう、
客人
(
まろうど
)
』
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
両脇
(
りょうわき
)
に子供をひきつけ、
依怙地
(
いこじ
)
なほど身体を
硬
(
こわ
)
ばらせている石のようなお安の後姿を、主水は
歎息
(
たんそく
)
するような気持で見まもった。
扶持
(
ふち
)
を離れたといっても、明日の
生計
(
たつき
)
に困るわけではない。
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
御用達
(
ごようたし
)
、——肩で風を切る、勢いで、倉には黄金は、山程積んであろうところから、
気随気儘
(
きずいきまま
)
に大金を掴み出し、今日の
生計
(
たつき
)
にも困るような、貧しい者や、病人に、何ともいわず、バラ撒いて
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
うつくしげな養蠶風俗などとは、似てもにつかない
生計
(
たつき
)
の
業
(
わざ
)
であつた。
桑摘み
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
庄兵衞というて
今茲
(
ことし
)
廿年
(
はたち
)
餘り二つに成り未だ定まる
妻
(
つま
)
もなく母のお
勝
(
かつ
)
と
二個消光
(
ふたりぐらし
)
を
爲
(
なせ
)
ども茲等は
場末
(
ばずゑ
)
にて果敢々々しき
店子
(
たなこ
)
もなければ僅か
許
(
ばかり
)
の家主にては
生計
(
たつき
)
の立ぬ所より庄兵衞は
片手
(
かたて
)
業に貸本を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この菫花うりの忍びて泣かぬは、うきになれて涙の泉
涸
(
か
)
れたりしか、さらずは驚き
惑
(
まど
)
ひて、一日の
生計
(
たつき
)
、これがために
已
(
や
)
まむとまでは
想到
(
おもいいた
)
らざりしか。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
われおもふに、君は男の身を
錯
(
あやま
)
り射給ひしのみにあらず、女の心をも亦錯り射給ひしなり。
雌雄
(
めを
)
は今
雙
(
なら
)
び飛ぶべし。君は唯だこゝに
在
(
いま
)
せ。自由なる快活なる
生計
(
たつき
)
なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
大「誠に恥入りました儀でござるが、浪人の
生計
(
たつき
)
致し方なく
売卜
(
ばいぼく
)
を致して居ります」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
わが身の
生計
(
たつき
)
を求めるうちに、病気にかかるやら、盗難に逢うやら、それからそれへと不運が引きつづいて、石見弥次右衛門という
一廉
(
ひとかど
)
の侍がとうとう乞食の群れに落ち果ててしまったのである。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
蛟龍
(
こうりょう
)
も時を得ざれば空しく
淵
(
ふち
)
に潜むでな、みな
木樵
(
きこり
)
をしたり、この山で、薬草採りなどして
生計
(
たつき
)
をたてているが、時到れば、鉢の木の佐野源左衛門じゃないが、この山刀
一腰
(
ひとこし
)
に、ぼろ
鎧
(
よろい
)
を
纏
(
まと
)
っても
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
次の
朝
(
あした
)
目ざめし時は、なお独りあとに残りしことを夢にはあらずやと思いぬ。起きいでし時の心細さ、かかる思いをば、
生計
(
たつき
)
に苦しみて、きょうの日の食なかりし折りにもせざりき。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
大臣に随ひて帰東の途に上ぼりしときは、相沢と
議
(
はか
)
りてエリスが母に
微
(
かすか
)
なる
生計
(
たつき
)
を営むに足るほどの資本を与へ、あはれなる狂女の胎内に遺しゝ子の生れむをりの事をも頼みおきぬ。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
相沢の助けにて日々の
生計
(
たつき
)
には窮せざりしが、この恩人は彼を精神的に殺ししなり。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
相沢の助にて日々の
生計
(
たつき
)
には窮せざりしが、此恩人は彼を精神的に殺しゝなり。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
大臣にしたがいて帰東の途に
上
(
のぼ
)
りしときは、相沢とはかりてエリスが母にかすかなる
生計
(
たつき
)
を営むに足るほどの資本を与え、あわれなる狂女の胎内にのこしし子の生まれんおりのことをも頼みおきぬ。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
次の
朝
(
あした
)
目醒めし時は、猶独り跡に残りしことを夢にはあらずやと思ひぬ。起き出でし時の心細さ、かゝる思ひをば、
生計
(
たつき
)
に苦みて、けふの日の食なかりし折にもせざりき。これ彼が第一の書の
略
(
あらまし
)
なり。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
“生計”の意味
《名詞》
生 計(せいけい)
暮らし。生活するための術。
(出典:Wiktionary)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
計
常用漢字
小2
部首:⾔
9画
“生計”で始まる語句
生計向
生計費