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生々
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いき/\
ふりがな文庫
“
生々
(
いき/\
)” の例文
こんなことは、みんな私にはつまらないものだつたので、私の
虚
(
うつ
)
ろな心は、小さな飢ゑた一羽の
駒鳥
(
こまどり
)
の姿に、より
生々
(
いき/\
)
と惹きつけられた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
が、その晩のあの女は、まるで人間が違つたやうに、
生々
(
いき/\
)
と私の眼に映りました。眼は大きくかゞやいて居ります。頬も赤く燃えて居りましたらう。
地獄変
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
健康そうな
生々
(
いき/\
)
とした、然し、大へん優しくて、重明に対して忠実だったお清の姿とが、重なり合い、混り合った。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
けれども時代一般の空気が如何にも
生々
(
いき/\
)
として、多少進取の気運に
伴
(
ともな
)
つて奢侈逸楽等の弊害欠点の生じて来る事に対しても、世間は多くの
杞憂
(
きいう
)
を
抱
(
いだ
)
かず
虫干
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
そのかはり、此の夏の夕の一揷話は、平淡に描かれてゐる丈明るい色彩で、男も女も當代の浮世繪のやうに
生々
(
いき/\
)
とした刺戟性を持つて印象を殘すのである。
貝殻追放:006 「八千代集」を読む
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
▼ もっと見る
たゞナスタシヤムの花ばかりがいくん
日
(
ち
)
たつても
生々
(
いき/\
)
した色に咲いてゐる。どんな西洋人が、どうしてかういふ裏町にひつそりと住んでゐるのだらうと思ふ。
女の子
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
光
(
ひかる
)
はまた男性的でないのではありません。あの
大様
(
おほやう
)
な
生々
(
いき/\
)
とした線で
描
(
か
)
く絵を見て下さい、
光
(
ひかる
)
の書いて居る日記を見て下さい、
光
(
ひかる
)
は母親の
羨
(
うらや
)
んで
好
(
い
)
い男性です。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
自分の今猶
生々
(
いき/\
)
とした少年時代の追想——何の造作もなく心と心がピタリ握手して共に泣いたり笑つたり喧嘩して別れたりした澤山の友人の事や、或る上級の友に
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
母
(
はゝ
)
は
情
(
なさけ
)
なき
思
(
おも
)
ひの
胸
(
むね
)
に
迫
(
せま
)
り
來
(
き
)
て、あれあんな
事
(
こと
)
を、
貴君
(
あなた
)
お
聞遊
(
きゝあそ
)
ばしましたかと
良人
(
をつと
)
に
向
(
むか
)
ひて
忌
(
いま
)
はしげにいひける、
娘
(
むすめ
)
は
俄
(
にはか
)
に
萎
(
しを
)
れかへりし
面
(
おもて
)
に
生々
(
いき/\
)
とせし
色
(
いろ
)
を
見
(
み
)
せて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
春の
新潮
(
あらしほ
)
に乘つてくる
魚鱗
(
うろくづ
)
のやうな
生々
(
いき/\
)
した
少女
(
をとめ
)
は、その日の目覺めに、光りを
透
(
すか
)
して見たコツプの水を底までのんで、息を一ぱいに、噴水の霧のやうな、五彩の虹を
春
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
何時
(
いつ
)
もの
疲
(
つか
)
れた色は
何処
(
どこ
)
にも見えなかつた。
眼
(
め
)
の
中
(
なか
)
にも
若
(
わか
)
い
沢
(
つや
)
が
宿
(
やど
)
つてゐた。代助は
生々
(
いき/\
)
した此美くしさに、自己の感覚を溺らして、しばらくは何事も忘れて仕舞つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
船が棧橋を離れて、その靜止した位置から美保の關の港を後方に動き出して行くと、樂しい波の動搖が私達のからだにまで傳はつて來た。私達は船體の底の方に
生々
(
いき/\
)
とした海の躍るのを覺えた。
山陰土産
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
何故と言つて、長い
道程
(
みちのり
)
を歩き
草臥
(
くたび
)
れて、誰も彼も草の葉のやうにげんなりした顔をしてゐたのが、今通りかかつてるのは遊女町だなと気が
注
(
つ
)
くと、急に
蘇生
(
いきかへ
)
つたやうに
生々
(
いき/\
)
して来たからである。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
こんなのぢやない! あの
生々
(
いき/\
)
した南洋は!
南洋館
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
血の浪の
生々
(
いき/\
)
ゆらぎ
玉盃の曲
(新字旧仮名)
/
漢那浪笛
(著)
が、その晩のあの女は、まるで人間が違つたやうに、
生々
(
いき/\
)
と私の眼に映りました。眼は大きくかゞやいて居ります。頬も赤く燃えて居りましたらう。
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼等の會話の大體のあらましは
生々
(
いき/\
)
しく、そして、私の心をちく/\刺してゐた。ひとつ/\の言葉は、あからさまに聽いてゐたと同じ鋭さで私に感じられた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
それが、午後になつて不圖氣が附くと、いつの間にか、空の眞つ青い雨上りとなつて、久しぶりで、黄色い
生々
(
いき/\
)
した日影が、窓に迫つた屋根瓦の、黒い濕り氣の上に射してゐた。
金魚
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
三千代
(
みちよ
)
の声は、
此時
(
このとき
)
急に
生々
(
いき/\
)
と
聞
(
きこ
)
えた。代助は
引越
(
ひつこし
)
の事を丸で忘れてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ある折は、水をのんだコツプにうつる
生々
(
いき/\
)
した愉快な顏——
切子
(
きりこ
)
の壺に種々な角度からうつるのも面白い。さし出された
給仕盆
(
おぼん
)
にうつることもあり、
水面
(
みづ
)
にうつして妙な顏をして見ることもある。
鏡二題
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
又さもなければ如何に良秀でも、どうしてかやうに
生々
(
いき/\
)
と奈落の苦艱が畫かれませう。あの男はこの屏風の繪を仕上げた代りに、命さへも捨てるやうな、無慘な目に出遇ひました。
地獄変
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
々
3画
“生々”で始まる語句
生々世々
生々的
生々流転
生々殿
生々動流
生々流々
生々流相
生々溌剌