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猫板
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ねこいた
ふりがな文庫
“
猫板
(
ねこいた
)” の例文
長火鉢の
猫板
(
ねこいた
)
に
片肱
(
かたひじ
)
突いて、美しい
額際
(
ひたいぎわ
)
を抑えながら、片手の
火箸
(
ひばし
)
で炭を
突
(
つ
)
ッ
衝
(
つ
)
いたり、灰を
平
(
なら
)
したりしていたが、やがてその手も動かずなる。
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
「もう子供じゃないんですもの。誰だって知ってるわ。」と
猫板
(
ねこいた
)
の上に載せながら、「お父さんお
盃
(
さかずき
)
はどこにあるの。」
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
葉子は
猫板
(
ねこいた
)
に片
肘
(
ひじ
)
を持たせながら、必要もないほど高価だと思われる厚い
書牋紙
(
しょせんし
)
に大きな字で書きつづってある木村の手紙を一枚一枚読み進んだ。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
闇太郎は、白鳥徳利の酒を、
燗
(
かん
)
もせずに、長火鉢の
猫板
(
ねこいた
)
の上に、二つ並べた湯呑みに、ドクドクと注ぎ分けるのだった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
平次はさう言ひながらも、八五郎の眞劍さに釣り込まれて、火のない火鉢を挾んで、
猫板
(
ねこいた
)
の上に頬杖を突くのでした。
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
栄二は火のない長火鉢の脇に坐り、おちつかないようすで、その長火鉢のふちや、
猫板
(
ねこいた
)
などを
撫
(
な
)
でた。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
猫板
(
ねこいた
)
のうえで、お増が途中から買い込んで来た、苦い
羊羹
(
ようかん
)
などを切って、二人は茶を飲みながら、ぼそぼそ話していたが、すぐにそこらを片着けて二階へ上って行った。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
年久く
飼
(
かは
)
るる
老猫
(
ろうみよう
)
の
凡
(
およ
)
そ
子狗
(
こいぬ
)
ほどなるが、棄てたる雪の
塊
(
かたまり
)
のやうに
長火鉢
(
ながひばち
)
の
猫板
(
ねこいた
)
の上に
蹲
(
うづくま
)
りて、前足の
隻落
(
かたしおと
)
して
爪頭
(
つまさき
)
の灰に
埋
(
うづも
)
るるをも知らず、
齁
(
いびき
)
をさへ
掻
(
か
)
きて
熟睡
(
うまい
)
したり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その時柴野は隊から帰って来た身体を大きくして、
長火鉢
(
ながひばち
)
の
猫板
(
ねこいた
)
の上にある
洋盃
(
コップ
)
から
冷酒
(
ひやざけ
)
をぐいぐい飲んだ。御縫さんは白い肌をあらわに、鏡台の前で
鬢
(
びん
)
を
撫
(
な
)
でつけていた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
主翁は
厭
(
いや
)
であったがそのうえぐずぐずしていると、また女房から臆病だとか何んとか云って
嘲
(
あざけ
)
られるので、しかたなしに体を起して
長火鉢
(
ながひばち
)
の
猫板
(
ねこいた
)
の上に乗っているマッチを持ち
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
旅費
(
りよひ
)
が
少
(
すくな
)
いから、
旦那
(
だんな
)
は
脇息
(
けふそく
)
とある
處
(
ところ
)
を、
兄哥
(
あにい
)
に
成
(
な
)
つて、
猫板
(
ねこいた
)
に
頬杖
(
ほゝづゑ
)
つくと、
又
(
また
)
嬉
(
うれ
)
しいのは、
摺上川
(
すりかみがは
)
を
隔
(
へだ
)
てた
向
(
むか
)
う
土手
(
どて
)
湯
(
ゆ
)
の
原
(
はら
)
街道
(
かいだう
)
を、
山
(
やま
)
の
根
(
ね
)
について
往來
(
ゆきき
)
する
人通
(
ひとどほ
)
りが、
衣
(
き
)
ものの
色
(
いろ
)
、
姿容
(
なりかたち
)
は
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こうなじるようにいって葉子が座につくと、倉地は飲み終わった
茶
(
ちゃ
)
わんを
猫板
(
ねこいた
)
の上にとんと音をたてて伏せながら
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
かなり強い疲れを一時に感じながら、
猫板
(
ねこいた
)
の上に
肘
(
ひじ
)
を持たせて居ずまいをくずしてもたれかかった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
猫
常用漢字
中学
部首:⽝
11画
板
常用漢字
小3
部首:⽊
8画
“猫”で始まる語句
猫
猫背
猫撫声
猫撫
猫柳
猫又
猫楊
猫児
猫婆
猫属