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根附
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ねつけ
ふりがな文庫
“
根附
(
ねつけ
)” の例文
あちこち見て歩く内、応接間というような室に、硝子の箱に紫色の
天鵞絨
(
ビロード
)
を敷いて、
根附
(
ねつけ
)
が百ばかり、幾段かに並べてありました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
「もう一つ、三日前に八五郎が、この脇差と
牙彫
(
けぼり
)
の
根附
(
ねつけ
)
を一つ、十兩で吉三郎に賣つたさうだ。少しわけがあつて、それを返して貰ひたいんだが」
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此
(
こ
)
の
小僧
(
こぞう
)
を、
根附
(
ねつけ
)
と
云
(
い
)
ふ
身
(
み
)
で、
腰
(
こし
)
の
處
(
ところ
)
へ
引
(
ひき
)
つけて、
留桶
(
とめをけ
)
を
前
(
まへ
)
に、
流臺
(
ながしだい
)
へ
蚊脛
(
かずね
)
をはだけて、
痩
(
や
)
せた
仁王
(
にわう
)
と
云
(
い
)
ふ
形
(
かたち
)
。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
僕の乗った舟を漕いでいる四十
恰好
(
がっこう
)
の船頭は、
手垢
(
てあか
)
によごれた
根附
(
ねつけ
)
の
牙彫
(
げぼり
)
のような顔に、極めて
真面目
(
まじめ
)
な表情を見せて、器械的に手足を動かして
艣
(
ろ
)
を
操
(
あやつ
)
っている。
百物語
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
亥太郎さんが
此品
(
これ
)
を持っていると云うのは不思議でございますな、この
煙草入
(
たばこいれ
)
は皮は
高麗
(
こうらい
)
の
青皮
(
せいひ
)
、
趙雲
(
ちょううん
)
の
円金物
(
まるがなもの
)
、
後藤宗乘
(
ごとうそうじょう
)
の作、
緒締
(
おじめ
)
根附
(
ねつけ
)
はちぎれて有りませんが、これは不思議な品で
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
象牙の
根附
(
ねつけ
)
に
銀鎖
(
ぎんぐさり
)
附きたる
菖蒲皮
(
しょうぶかわ
)
の
提
(
さげ
)
煙草入、駒下駄と云ふ
拵
(
こしら
)
へにて、きつかけなしに揚幕より出で、金五郎を呼び止めて意見を
為
(
な
)
し、花道に
往
(
いき
)
かけたる勘十郎に向ひて、堪忍の歌を繰返し
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
しばしば
緒締
(
おじめ
)
や
根附
(
ねつけ
)
が伴うのは誰も知る通りである。
樺細工の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「言ひましたよ、あつしの煙草入れの
根附
(
ねつけ
)
を見て、そいつは氣に入つたから、脇差と一緒に
讓
(
ゆづ
)
つてくれ——一つて」
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お形見だといって、遺族の方から
根附
(
ねつけ
)
を二つ下さいました。木彫の馬と牛とでしたろう。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
真鍮のこの煙管さえ、その中に置いたら異彩を放ちそうな、がらくた沢山、
根附
(
ねつけ
)
、
緒〆
(
おじめ
)
の
類
(
たぐい
)
。古庖丁、
塵劫記
(
じんこうき
)
などを取交ぜて、石炭箱を台に、雨戸を
横
(
よこた
)
え、
赤毛布
(
あかげっと
)
を敷いて並べてある。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
両
(
ふた
)
つ
提
(
さげ
)
の——もうこの頃では、山の爺が
喫
(
の
)
む煙草がバットで差支えないのだけれど、事実を報道する——
根附
(
ねつけ
)
の処を、
独鈷
(
とっこ
)
のように振りながら、
煙管
(
きせる
)
を
手弄
(
てなぶ
)
りつつ、ぶらりと降りたが
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あの
牙彫
(
けぼり
)
の
根附
(
ねつけ
)
は、多令拔荷を受取る手形のやうなものだらう。
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
月夜
(
つきよ
)
の
陰
(
かげ
)
、
銀河
(
ぎんが
)
の
絶間
(
たえま
)
、
暗夜
(
やみ
)
にも
隈
(
くま
)
ある
要害
(
えうがい
)
で、
途々
(
みち/\
)
、
狐
(
きつね
)
狸
(
たぬき
)
の
輩
(
やから
)
に
奪
(
うば
)
ひ
取
(
と
)
られる、と
心着
(
こゝろづ
)
き、
煙草入
(
たばこいれ
)
の
根附
(
ねつけ
)
が
軋
(
きし
)
んで
腰
(
こし
)
の
骨
(
ほね
)
の
痛
(
いた
)
いまで、
下
(
した
)
つ
腹
(
ぱら
)
に
力
(
ちから
)
を
籠
(
こ
)
め、
気
(
き
)
を
八方
(
はつぱう
)
に
配
(
くば
)
つても、
瞬
(
またゝき
)
をすれば
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
根
常用漢字
小3
部首:⽊
10画
附
常用漢字
中学
部首:⾩
8画
“根附”で始まる語句
根附師