斗樽とだる)” の例文
斗樽とだるにはにごつたやうな甘酒あまざけがだぶ/\とうごいてる。神官しんくわんしろ指貫さしぬきはかまにはどろねたあとえて隨分ずゐぶんよごれてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しかるにここに大いに考うべき一条は各自が果たして各自の容積いっぱいに水を含めるやいなやの問題である。四斗樽とだるだいそなえてもからなれば四升樽しょうだるにも劣る。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
なかには、かおさえあらやもうようはねえと、ながしのまんなか頑張がんばって、四斗樽とだるのようなからだを、あっちへげ、こっちへのばして、隣近所となりきんじょあわばすひま隠居いんきょや、膏薬こうやくだらけの背中せなかせて、弘法灸こうぼうきゅう効能こうのう
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
簡單かんたんながら一にちしきをはつたとき斗樽とだる甘酒あまざけ柄杓ひしやく汲出くみだして周圍しうゐつて人々ひと/″\あたへられた。しゆとして子供等こどもらさきあらそうてそのおほきな茶碗ちやわんへた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
總代等そうだいらはそれでも羽織袴はおりはかま姿すがたであるが一人ひとりでも滿足まんぞくはかまひもむすんだのはない。さらあとからかゞみいた四斗樽とだるうま荷繩になはくゝつてふとぼうかついでいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)