押開おしひら)” の例文
押開おしひらき御免なされと此家の亭主あるじ長兵衞は入來いりきたり只今彼方かなたにて御樣子を伺ひまこと御志操おこゝろざしを感じ候なりさりながらお三人のお旅籠を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其処そこは人間の鼠蹊部そけいぶというようなところで外皮を切れば腿の肉は胴の肉と離れているからへらで腿の肉を押開おしひらくとその下に腸が見えて薄いまくが腸をおおっている。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
若しや? と思うと矢も盾も堪らず、ドア押開おしひらいて中へ入った。部屋の中には電灯が明々あかあかと点いていた。そして老子爵は、安楽椅子と一緒に床の上へ倒れている。
海浜荘の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
武村兵曹たけむらへいそうまへおなやうそのとびら押開おしひらくと、同時どうじにサツと射込さしこひかりうたがひもない、とびら彼方かなたあかるいところだ、兵曹へいそうはプツと球燈きゆうとう吹消ふきけす、途端とたんに、櫻木大佐さくらぎたいさわたくしむか
ロミオ (廟の前に進みて)おのれ母胎ぼたいめ、またとない珍羞ちんしゅうむさぼひをったにッくめ、おのれくさったあぎとをば、まッのやうに押開おしひらいて、(と廟の扉をぢあけながら)おのれへの面當つらあて
ひらかせ見れば手紙一通有り養母も不審いぶかしとは思へ共城富の名宛なあてゆゑひらき見ても宜しかるべしとふう押開おしひらきて見るに
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
くませんとなし其せつに此眞向まむかひの棟割長家むねわりながや建續たてつゞけたる其中にも一そうきたな荒果あれはていと小狹せうけふなる家の中に五十四五なる老人一個ひとり障子一枚押開おしひら端近はしちかふ出物の本を繰廣くりひろげ見てゐたりしが今長三郎が手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)