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おりすけ
ふりがな文庫
“
折助
(
おりすけ
)” の例文
折助
(
おりすけ
)
やお店者や飴しゃぶりの子守り女やおいらん衆が読むのだからと絶えず自分に言い聞かせても、どうしてもその読者の正体が
仇討たれ戯作
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
折助
(
おりすけ
)
とも
人足
(
にんそく
)
ともわからない中年の、ふうていのよくない男が二人、穴のある傘をさして、なにかくち早に話しながら、通りすぎていった。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そんな言葉は
御維新前
(
ごいっしんまえ
)
は
折助
(
おりすけ
)
と
雲助
(
くもすけ
)
と
三助
(
さんすけ
)
の専門的知識に属していたそうだが、二十世紀になってから教育ある君子の学ぶ唯一の言語であるそうだ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「紅や半襟を、
折助
(
おりすけ
)
や仲間が持っていちゃ悪いのかえ、——
夜鷹
(
よたか
)
や
白首
(
しらくび
)
にやるんじゃねえ、十六になる妹に持って行ってやるつもりで買っておいたんだ」
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
などと、お茶っ葉の
提灯
(
ちょうちん
)
を持つ
折助
(
おりすけ
)
の若いのがいう。名優を
随喜渇仰
(
ずいきかつごう
)
するもろもろの声を聞き流して、道庵主従はこの盛り場から町筋をうろつきました。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
おまえ達が武家に奉公すると云えば先ず
中間
(
ちゅうげん
)
だが、あんな
折助
(
おりすけ
)
の仲間にはいってどうする。奉公をするならば、堅気の
商人
(
あきんど
)
の店へはいって辛抱しろと云う。
半七捕物帳:63 川越次郎兵衛
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
甲「さア何時までべん/\と棄置くのだ、二階へ
折助
(
おりすけ
)
が
昇
(
あが
)
った
限
(
ぎ
)
り下りて来んが、さ、これを何う致すのだ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ここに集まるのは、近所の
折助
(
おりすけ
)
だの、駄菓子屋の亭主だの、馬方だの、自身番の番太郎までが入っている。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
橋際に、小さな夜明しの居酒屋——この辺に、夜鷹を
漁
(
あさ
)
りにくる、
折助
(
おりすけ
)
どもを目当ての、
乏
(
とぼ
)
し気な店だ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
武士、町人、鳶ノ者、
折助
(
おりすけ
)
、
婢女
(
げじょ
)
、
田舎者
(
おのぼりさん
)
、職人から医者、
野幇間
(
のだいこ
)
、
芸者
(
はおり
)
、茶屋女、女房子供——あらゆる
社会
(
うきよ
)
の人々が、忙しそうに又
長閑
(
のどか
)
そうに、往くさ来るさしているではないか。
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
初めは行き暮れた旅人を泊らしては路銀を
窃
(
ぬす
)
む悪猟師の女房、次には
媳
(
よめ
)
いびりの
猫化郷士
(
ねこばけごうし
)
の妻、三転して
追剥
(
おいはぎ
)
の女房の女按摩となり、最後に
折助
(
おりすけ
)
の
嬶
(
かかあ
)
となって亭主と馴れ合いに賊を働く
夜鷹
(
よたか
)
となり
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
雑草のなかで近所の
折助
(
おりすけ
)
が相撲をとったり、お正月には子供が
凧
(
たこ
)
をあげたりするほか、ふだんはなんとなく淋しい場所だった。
早耳三次捕物聞書:03 浮世芝居女看板
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
厳
(
おごそ
)
かに言い渡しているのは意外にも先日、甲府の旗亭で、神尾主膳と酒を飲んでいた
折助
(
おりすけ
)
の権六でありました。
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
二年前まで
折助
(
おりすけ
)
をしていて、打つ、飲む、買うの三道楽に身がおさまらず、さんざん一家を手こずらせたあとで、主家に毒口を叩いて出ていった、弁公という若者が、つい
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
運動が出来んのである、運動をする時間がないのである、余裕がないのだと鑑定される。昔は運動したものが
折助
(
おりすけ
)
と笑われたごとく、今では運動をせぬ者が下等と
見做
(
みな
)
されている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
折助
(
おりすけ
)
か」と、半七はうなずいた。「折助なんぞは軍鶏屋のお客だ。まんざら縁のねえこともねえ。これでどうにか白と黒の石が揃ったようだ。まあ、おめえの
五目
(
ごもく
)
ならべをやってみろ」
半七捕物帳:51 大森の鶏
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
箒
(
ほうき
)
と打水で、役宅の前を掃除していた
菖蒲革
(
しょうぶがわ
)
の
袴
(
はかま
)
と、尻はしょりの
折助
(
おりすけ
)
が
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
両国
広小路
(
ひろこうじ
)
あたりの裏とか、河岸の水茶屋のあいだなどに、川人足や
折助
(
おりすけ
)
たち相手の荒っぽい居酒屋があるのだが、慣れない者にはわかりにくく、栄二もそれらの店の前を気づかずに通りすぎ
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
夜鷹がその家へ集まるので、当然に
嫖客
(
ひょうきゃく
)
が集まって来る。その嫖客たるや大変物で、
折助
(
おりすけ
)
や船頭や紙屑買いや、座頭や下職や
臥煙
(
がえん
)
などで最下等の部に属している、そういったような人間どもであった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「往来で裸になれるかい、
折助
(
おりすけ
)
やがえんじゃあるまいし」
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
わあッと人浪が崩れ立ったと見れば、へべれけに酔っぱらった何家かの
折助
(
おりすけ
)
が四、五人づれ、女をみかけしだいにふざけ散らして来るのだった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
お茶を飲むところを笠の下から見ると、この仲間体の男は、
折助
(
おりすけ
)
にしては惜しいほどの人柄に見えました。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
法被姿
(
はっぴすがた
)
に
梵天帯
(
ぼんてんおび
)
、お約束の木刀こそなけれ、一眼で知れる渡り部屋の中間奉公、俗に言う
折助
(
おりすけ
)
、
年齢
(
とし
)
の頃なら二十七、八という腕節の強そうなのが
釘抜藤吉捕物覚書:02 梅雨に咲く花
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
時時
折助
(
おりすけ
)
を引っぱって
桜町
(
さくらちょう
)
へ飲みに来たり、こっそりと
柳町
(
やなぎちょう
)
へ遊びに出たりするくらいのことで、毎日おもしろくもない甲州の山ばかりを
睨
(
にら
)
めて暮らしていましたが
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この柳生の上屋敷の前は、各大名の使者にくっついてきた供の者、
仲間
(
ちゅうげん
)
、
折助
(
おりすけ
)
たちで押すな押すなの混雑。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
米友はその夥しい
後詰
(
ごづめ
)
を見ると、直ちに、これは「
折助
(
おりすけ
)
だな」と感じました。
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
油を浮かべたような
菊屋橋
(
きくやばし
)
の堀割りへ差しかかったとき、女は駕籠の
垂
(
た
)
れを上げて
背後
(
うしろ
)
を見た。と、あの執念深い
折助
(
おりすけ
)
が、木刀を前半に押えて、とっとと駈けてくる。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
これは昨夜の
折助
(
おりすけ
)
の
狼藉
(
ろうぜき
)
と女軽業の美人連の遭難、その血の
痕
(
あと
)
というのはムク犬の勇猛なる働きの
名残
(
なごり
)
であることは申すまでもありませんが、その
風聞
(
ふうぶん
)
は兵馬の耳へはまだ入っていませんでした。
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
まだ早いのか
晩
(
おそ
)
いのか、どこかで寺の鐘でも鳴らないか——と、大迫玄蕃が耳をすますと、台所で洗い物をする音がかすかに聞えて、
折助
(
おりすけ
)
どもの笑い声もするようだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そのうちに
容貌望
(
きりょうのぞ
)
みで
玉
(
たま
)
の
輿
(
こし
)
というようなこともないとは限らないから、くだらないものにひっかからないように。口上言いや
折助
(
おりすけ
)
なんぞが、いくら色目を使っても、白い歯は見せちゃいけないよ。
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
いつものように、宵闇に
紛
(
まぎ
)
れて、
折助
(
おりすけ
)
すがたに
装
(
つく
)
った辰馬が、ぼんやり
佇
(
た
)
っていた。
元禄十三年
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
折
常用漢字
小4
部首:⼿
7画
助
常用漢字
小3
部首:⼒
7画
“折助”で始まる語句
折助根性
折助連
折助言葉