打首うちくび)” の例文
とても食えぬと、他領へ逃げるにも、もし捕れば打首うちくび。子を生めば胞衣金えなきん、死ねば寺金てらきん。——一体、どうしたらいい百姓だ
(新字新仮名) / 吉川英治(著)
れはかね/″\書物しよもつんで、磔刑はりつけ獄門ごくもん打首うちくび、それらの死刑しけいけつして、刑罰けいばつでないといふことをかんがへてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
とがおとしいれる而已のみならず其妻に不義ふぎを申し掛しだん不屆ふとゞきの至なりよつて二百五十ぺう召上めしあげられおも刑罪けいざいにもしよせらるべき處格別かくべつ御慈悲おじひを以打首うちくびつぎに七助事主人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この日の戦さのすさまじさは後日人の口より色々と聞き及びましたが、ともあれ黄昏たそがれに至って両軍相引きに引く中を、山名方は打首うちくびを車八りょうに積んで西陣へ引上げたとも申し
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
これが表向きに現われる時は、打首うちくびか追放か、我が身はおろか、一家中にまで……こんなところへ弾薬を隠しに来るほどの考えなしでも、その罪科の容易ならぬことはわきまえているものと見えます。
……しかし、かんがえて見れば、お献上の品に手をかければ、軽くて打首うちくび、重けりゃ獄門。……そうなりゃ、かえって伜に憂目うきめを見させるわけ。……ああ、やめにしようと、トボトボと引きかえした。
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
芝居しばゐ土間どま煙草たばこつて、他人たにんたもとがしたものも、打首うちくびになるといふうはさつたはつたときは、皆々みな/\あをくなつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ほどこし其外聞居たる公事訴訟人迄くじそしようにんまでかんぜぬ者ぞ無りけるさてまた源八は打首うちくびの上獄門ごくもん佐七は遠島ゑんたう申渡されしとぞ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
打首うちくびはりつけ、二日にわたって、おびただしい血が、大賀一個の叛心のために、士気粛正の犠牲にされた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この日の戦さのすさまじさは後日人の口より色々と聞き及びましたが、ともあれ黄昏たそがれに至つて両軍相引きに引く中を、山名方は打首うちくびを車八りょうに積んで西陣へ引上げたとも申し
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
「まあ、お前が打首うちくびになることにきまったのかい」
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
往來わうらい煙草たばこつたもの、なかひと退けてすゝまうとしたもの、そんなのまでをとらへて、打首うちくびにするならば、火事くわじ半分はんぶんげんずるし、なか風儀ふうぎたちまあらたまるであらうとおもつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)