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ていけ
ふりがな文庫
“
手活
(
ていけ
)” の例文
止
(
とゞま
)
りしと雖も小夜衣の事を思ひ
切
(
きり
)
しに非ず
只々
(
たゞ/\
)
便
(
たよ
)
りをせざるのみにて我此家の相續をなさば是非とも
渠
(
かれ
)
を
早々
(
さう/\
)
身請
(
みうけ
)
なし
手活
(
ていけ
)
の花と
詠
(
なが
)
めんものを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
大将の近藤なんぞも、島原から
綺麗
(
きれい
)
なのを引っこぬいて、あちらこちらへ
手活
(
ていけ
)
の花としてかこって置くというじゃがあせんか、うまくやってやがら
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
上方一と言われた女も、
手活
(
ていけ
)
の花として
眺
(
なが
)
めると、三日
経
(
た
)
てば
萎
(
しお
)
れる。いまじゃ、長屋の、かかになって、ひとつき
風呂
(
ふろ
)
へ行かなくても平気でいる。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
手に
一条
(
ひとすじ
)
大身
(
おおみ
)
の
槍
(
やり
)
を
提
(
ひっさ
)
げて、
背負
(
しょ
)
った女房が死骸でなくば、死人の山を
築
(
きず
)
くはず、無理に
手活
(
ていけ
)
の花にした、
申訳
(
もうしわけ
)
の
葬
(
とむらい
)
に、医王山の美女ヶ原、花の中に
埋
(
うず
)
めて帰る。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
といって、黙って見ていたんじゃあ、おれが行かなくても婆さんなり誰かなりが出かけて話をまとめ、ことによったら鈴川様はお艶坊を
手活
(
ていけ
)
の花と眺めるかも知れない。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
が、それ
等
(
ら
)
は
言
(
い
)
わば
深窓
(
しんそう
)
を
飾
(
かざ
)
る
手活
(
ていけ
)
の
花
(
はな
)
、
命
(
みこと
)
のお
寛
(
くつろ
)
ぎになられた
折
(
おり
)
の
軽
(
かる
)
いお
相手
(
あいて
)
にはなり
得
(
え
)
ても、いざ
生命懸
(
いのちが
)
けの
外
(
そと
)
のお
仕事
(
しごと
)
にかかられる
時
(
とき
)
には、きまり
切
(
き
)
って
橘姫
(
たちばなひめ
)
にお
声
(
こえ
)
がかかる。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
出
(
い
)
づれば幸ひにその金力に
頼
(
よ
)
りて勢を得、
媚
(
こび
)
を買ひて、一時の慾を
肆
(
ほしいま
)
まにし、
其処
(
そこ
)
には楽むとも知らず楽み、苦むとも知らず苦みつつ宮が
空
(
むなし
)
き
色香
(
いろか
)
に
溺
(
おぼ
)
れて、内にはかかる美きものを
手活
(
ていけ
)
の花と
眺
(
なが
)
め
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
聞より此方の庄兵衞は今迄
手活
(
ていけ
)
の花とのみ思ひゐたりし女をば他へ取るゝ無益しさ如何はせんと
取置
(
とつおい
)
つ
胸
(
むね
)
を
碎
(
くだき
)
つ
寢食
(
しんしよく
)
も忘るゝ計に考へしが
不※
(
ふと
)
思ひ附きお光を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
公子 (聞きつつ
莞爾
(
かんじ
)
とす)やあ、(女房に)……この女は
豪
(
えら
)
いぞ! はじめから歎いておらん、慰め
賺
(
すか
)
す要はない。私はしおらしい。あわれな花を
手活
(
ていけ
)
にしてながめようと思った。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
阪地
(
かみがた
)
は風流だね、洒落に芸者に出すなんざ、悟ったもんですぜ、根こぎで
手活
(
ていけ
)
にした花を、人助けのため拝ませる、という寸法だろう。私なんぞも、お
庇
(
かげ
)
で土産にありついたという訳だ。」
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
活
常用漢字
小2
部首:⽔
9画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭