“徹宵:てっしょう” の例文
“徹宵:てっしょう”を含む作品の著者(上位)作品数
夢野久作3
林不忘3
江戸川乱歩3
吉川英治3
谷譲次2
“徹宵:てっしょう”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語1.9%
芸術・美術 > 彫刻 > 彫刻史 各国の彫刻1.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
すべての暗い辻、街燈の乏しい広場には、そこに面する家の二階に刑事が張り込んで徹宵てっしょう窓から眼を光らせた。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
吉例により乾雲丸と坤竜丸を帯びた一、二番の勝者へするめ搗栗かちぐりを祝い、それから荒っぽい手料理で徹宵てっしょうの宴を張る。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
日本街では婦人や子供を避難所へ送った後で町会組織の警備隊が勇ましく街を守って徹宵てっしょうを続け始めた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
官兵衛は、説客として、まず彼の門をたたき、徹宵てっしょう、天下を談じ、風雲の将来をぼくし、また武士の心胸しんきょうをひらいて、
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、その夜は三名の私服刑事が、徹宵てっしょう邸の内外の見張りをしてくれることになったが、しかし、この警視庁の好意はもう手おくれであった。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
前方の一段高い上甲板には、定めし舵手だしゅ徹宵てっしょうの見張りを続けているのでしょうが、今人見廣介の立っている所からはそれも見えません。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
徹宵てっしょうの評議、そして、急転下にまとまった藩論の一致。草雲は、完全に、衆を一つにした。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その音はその種の病気に固有なものであって、眠りについてる死にひんした子供のそばで徹宵てっしょう看護する母親らの胸を痛ましめるところのものである。
名人の内に宿る射道の神が主人公のねむっている間に体内をけ出し、妖魔ようまはらうべく徹宵てっしょう守護しゅごに当っているのだという。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
彼は、前夜から同室していた刑事に、徹宵てっしょう警戒されていたのだということだった。
踊る地平線:10 長靴の春 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
この店では毎晩、番頭、少年店員、警務さん、とびのものなど、数十人の当直員を定めて、広い店内を隅から隅まで、徹宵てっしょう見廻らせることになっていた。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それで、医師の合田氏は、これはいけないと非常な丹精をしてくれまして、夜も帰宅かえらず、徹宵てっしょう附き添い、薬も自身せんじて看護してくれられました。
「一風呂浴びて来て、飲み直しじゃ。今夜こよい徹宵てっしょうるも面白かろう。湯から上って来るまでに、娘を伴れてきておけ。湯壺へは、誰も来るでないぞ。」
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それで口には贅沢ぜいたくを言い、人の馳走ならば、徹宵てっしょうの快飲もやる。
梅颸の杖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女が芝居見物の日は、前の晩から家中の奥のものは徹宵てっしょうする。
殊に歳暮さいぼの夜景の如き橋上きょうじょうを往来する車のは沿岸の燈火と相乱れて徹宵てっしょう水の上にゆらめき動く有様銀座街頭の燈火よりはるかに美麗である。
「それに、暇がない。今夜徹宵てっしょう別所殿と相談のうえ——」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それがために、しかしわが家ながら、他家のごとく窮屈に思われ、夏の夜をうちわ使う音さえ遠慮がちに、近ごろにない寂しい徹宵てっしょうの後に、やッと、待ち設けた眠りをむさぼった。
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
徹宵てっしょう人通りと酔漢の大声を伸子は窓の下に聞いた。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
お手紙を見て驚喜きょうき仕候、両君のへやは隣室の客を驚かす恐れあり、小生の室は御覧の如く独立の離島に候間、徹宵てっしょう快談するもさまたげず、是非此方このほうへ御出向き下され度くち上候
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
上級生たちの大半の志望は軍医になっていますぐ出陣する事で、まことに当時の人の心は、単純とでも言おうか、生気溌剌はつらつたるもので、学生たちは下宿で徹宵てっしょう、新兵器の発明にいて議論をして
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
いわしのヌタに蒲鉾かまぼこさかなだったというが、二人とも長酒で、そんな場合はいつも徹宵てっしょう飲み明かすのが習慣だったので、娘さんは肴に心配をして近所の乾物屋から干鰯を買って準備していたというね。
無系統虎列剌 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
彼女の死に関する真相も遠からずハッキリして来る事と思いますが、それよりも先に小生は、一刻も早く彼女に関する事実の一切を貴下に御報告申し上げて、後日の御参考に供して置かねばならぬ責任を感じましたから、かように徹宵てっしょうの覚悟で
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
何からどう話を持って行っていいか——ま、とにかく、いやに星がちかちかしてタキシの咆哮する晩だったが、カラアを拒絶して一ばん汚ない古服を着用した私——ジョウジ・タニイ——が、多分の冒険意識をもって徹宵てっしょう巴里の裏町から裏まちをうろつくつもりで
それから同夜九時頃になると「飯喰いに行って来る」と称して飄然ひょうぜんとして下宿を出でそのまま行衛ゆくえくらましたとの事であるが、仄聞そくぶんするところに依ればひそかに九大精神病科の自室に引返し徹宵てっしょう書類を整理していたともいう。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)