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当人
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たうにん
不面目ゆゑ、
国許へ
通知は
無用、と
当人は
堅く
留めたものゝ、
唯、
然やうで、とばかりで
旅籠屋では
済まして
居られぬ。
此様なものを
負られた
者こそ
因果で、
之を
服まして
御前を
下ると、サア
何うも
大変、
当人は
酷い苦しみやう、
其翌日ヘロ/\になつて出て
来ました。登
「へーえ、役者になりたい。」
訝る
間もなく
蘿月は七ツ八ツの
頃によく
三味線を
弄物にした
長吉の
生立ちを
囘想した。「
当人がたつてと望むなら
仕方のない話だが………困つたものだ。」
お
見舞の
儀はお
見合はせ
下されたく、
差繰つて
申すやうながら、
唯今にもお
出で
下さる
事を
当人よく
存じ、
特に
貴兄に
対しては……と
此の
趣であつた。
当人も
参る気になりましたが、
横浜へ
参るには
手曳がないからと自分の弟の
松之助といふ者を
連れまして
横浜へまゐりまして、
野毛の
宅へ
厄介になつて
居り
何うも
私は
腹が
空つて歩かれませぬ、
其上塩梅が
悪うございまして。と
云ふから
仕方なしに
握飯の
二個に
銭の百か二百
遣ると
当人は喜んで
其場を
立退くといふ。
是が
商売になつて
居ました。
夫に
当人の
遺言で
是非火葬にして
呉ろと
申すことで。