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たうにん
お
可愛想なことをと
少し
涙くんでお
作をかばふに、それは
貴孃が
當人を
見ぬゆゑ
可愛想とも
思ふか
知らねど、お
作よりは
我れの
方を
憐れんでくれて
宜い
筈
叔父さんが
居なさらない、
今にしたつて、
此方の
都合さへ
好ければ、
燒けた
家と
同じ
丈のものを、
小六に
返すか、それでなくつても、
當人の
卒業する
迄位は
「へーえ、役者になりたい。」
訝る
間もなく
蘿月は七ツ八ツの
頃によく
三味線を
弄物にした
長吉の
生立ちを
囘想した。「
当人がたつてと望むなら
仕方のない話だが………困つたものだ。」
お
見舞の
儀はお
見合はせ
下されたく、
差繰つて
申すやうながら、
唯今にもお
出で
下さる
事を
当人よく
存じ、
特に
貴兄に
対しては……と
此の
趣であつた。