-
トップ
>
-
廣室
>
-
ひろま
人の
知らない
行をします——
其の
晝の
寢床から
當番の
女を
一人、
小脇に
抱へたまゝ、
廣室に
駈込んで
來たのですが、
皆來い! と
呼立てます。
……
此の
狂言はまだ
見ないが、
古寺の
廣室の
雨、
孤屋の
霧のたそがれを
舞臺にして、ずらりと
此の
形で
並んだら、
並んだだけで、おもしろからう。
最う
一ツ
向うの
廣室へ
行かうと、あへぎ/\
六疊敷を
縱に
切つて
行くのだが、
瞬く
内に
凡そ
五百里も
歩行いたやうに
感じて、
疲勞して
堪へられぬ。
と
御年紀十五の
若君が
御戒の
理に、
一統感歎の
額を
下げ、
高き
咳する
者無く、さしもの
廣室も
蕭條たり。
其のも
一ツの
廣室を
夢中で
突切つたが、
暗がりで
三尺の
壁の
處へ
突當つて
行處はない、
此處で
恐しいものに
捕へられるのかと
思つて、あはれ
神にも
佛にも
聞えよと、
其壁を
押破らうとして
拳で
敲くと