“平蜘蛛:ひらぐも” の例文
“平蜘蛛:ひらぐも”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治8
林不忘3
森鴎外2
中里介山2
夢野久作1
“平蜘蛛:ひらぐも”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
と、懲罰ちょうばつに処した樹上の士卒が、いつの間にか逃走した由を、平蜘蛛ひらぐものようになって慄えながら告げた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
桃太郎はやはり旗を片手に、三匹の家来けらいを従えたまま、平蜘蛛ひらぐものようになった鬼の酋長へおごそかにこういい渡した。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彼は木連きつれ格子のあいだからそれをそっと転がし込んで、自分は土のうえに平蜘蛛ひらぐものように俯伏していた。
半七捕物帳:06 半鐘の怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そのくせ、平蜘蛛ひらぐもになって、あやまるのではなく、間断なく隙を狙って、武蔵へ肉闘してくるのである。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平蜘蛛ひらぐもになって、但馬守は、家光の床几しょうぎの横に、手をつかえていた。家光はじろと、眼をやって、
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
信長は歩み寄って、平蜘蛛ひらぐものように手をつかえた権六勝家の、頭の上から微笑ほほえんでいった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
毎日毎日どこへっても、たれの前でも、平蜘蛛ひらぐものようになって這いつくばって通った。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
口をポカンと開いて、今にもよだれの垂れそうな顔をしたが、両手をさし上げたまま床の上にベッタリと、平蜘蛛ひらぐものようにヒレ伏してしまった。
ココナットの実 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
身を畳の上に平蜘蛛ひらぐものようにして、耳を澄まして寝息を窺ったが、紙張の中に人ありやなしや。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
いつでも陥ちることが分っていながら、それまで二、三日猶予ゆうよしていたのは、久秀が内々秘蔵の「平蜘蛛ひらぐもかま」があったからである。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
次郎は、そこに飛びこむと、平蜘蛛ひらぐものように畳に体を伏せて息を殺した。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
張飛は平蜘蛛ひらぐものようにそれへ平伏して、徐州城を奪われた不始末を報告した。——あれほど誓った禁酒の約を破って、大酔したことも、正直に申し立てて面も上げず詫び入った。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
閑山は平蜘蛛ひらぐものように額を畳にすりつけた。文次はたち上がる。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
その彼が、なんで素直に、平蜘蛛ひらぐもかまを、敵方へ譲ろう。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女はふるえ上がって、大地へ平蜘蛛ひらぐものように手をついた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、言い訳して、平蜘蛛ひらぐものように、詫び入るだけだった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
他の三人の少年たちは平蜘蛛ひらぐものようにへたばった。
火星探険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と、急に平蜘蛛ひらぐもになって、
宗は秀吉の気まぐれで、九州征伐余勢の気焔だらうと考へ、本心だとは思ふことができないから、なんの朝鮮如き、殿下の御威光ならば平蜘蛛ひらぐもの如く足下にひれふすでございませう、と良い加減なお世辞を言つて秀吉を喜ばせておいた。
二流の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
御書院番衆はやれやれとくつろぎ出して、急にそこここに話声も起り、中断されていた喬之助いじめをまたはじめようとそっちのほうを見ると、もう皆頭を上げているのに、喬之助だけは、まだ平蜘蛛ひらぐものように畳に手をついている。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
御書院番衆は、やれやれとくつろぎ出して、急にそこここに話声も起り、中断されていた喬之助いじめをまたはじめようとそっちのほうを見ると、もう皆頭を上げているのに、喬之助だけは、まだ平蜘蛛ひらぐものように、畳に手をついている。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それを僕が蘇張そちょうの舌で口説くどき落したのだ。それだから社に帰って、僕は得意で復命したのだ。読売へは誰か社のものが知らせたのだろう。それは僕には分らない。僕はいばらを負うことを辞せない。平蜘蛛ひらぐもになってあやまる。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
憮然ぶぜんとして、なお燈下にうずくまる男を見下ろしていると、右の老爺おやじ平蜘蛛ひらぐものような形をしているのが、気のせいか、見ているうちに平べったくなって、畳にべったりくっついてしまっているように見えて、白雲も少し気味が悪いような気分にさえなりました。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
だから、それが、早合点だというのだ。いま来た、あの女は、おしんといって、新規にやとったお針頭だが、はじめのうち、とんでもねえ人ちがいをしやがって、いや、笑わせもんさ。麻布の馬場やしきだことの、高音とかいうおかみさんだことのと、めりはりの合わねえことばかりいっていたが、やっとあとでまちがいとわかってな、今度は、平蜘蛛ひらぐものようなあやまりようよ。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)