小旗こばた)” の例文
そのそばへいって、屋台やたいにさしてあるいろいろな色紙いろがみつくられた小旗こばたかぜになびくのをたり、チャルメラのおとこうとおもいました。
子供の時分の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
思いのほかに人の雑鬧ざっとうもなく、時おり、同じ花かんざしを、女は髪に男はえりにさして先達せんだつらしいのが紫の小旗こばたを持った、遠い所から春をってめぐって来たらしい田舎いなかの人たちの群れが
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
そして、今日きょうはいつもより、紫色むらさきいろかみ小旗こばたがたくさんにちらちらとえましたので、はやわった光景こうけいをながめたいとはしっていきました。
子供の時分の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんは、あおや、あかや、黄色きいろ小旗こばたててある屋台やたいのかたわらにって、おもしろいふしうたをうたいました。
からすの唄うたい (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるとしはる長閑のどかのこと、はなしたにあめりが屋台やたいろしていました。屋台やたいむすんだ風船玉ふうせんだまそらただよい、また、てた小旗こばたかぜかれていました。
犬と人と花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんの粗末そまつ屋台やたいは、おおきなにぎやかなまちなかでは、すこしもだちませんでした。だれも、あおや、あかや、小旗こばたをとめるものもなかったのです。
からすの唄うたい (新字新仮名) / 小川未明(著)
いままであそびにをとられていた子供こどもらは、まるくしてそのじいさんの周囲しゅういあつまって、片方かたほうはこうえてたいろいろの小旗こばたや、不思議ふしぎ人形にんぎょうなどに見入みいったのです。
空色の着物をきた子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まもなく、そこへ、あかや、むらさきや、あお小旗こばた屋台やたいて、病気びょうきのなおったおじいさんがつれられてきました。そして、おじいさんは、一目ひとめからすをると、うれしさのあまり、なみだながしてよろこびました。
からすの唄うたい (新字新仮名) / 小川未明(著)