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嬋娟
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せんけん
ふりがな文庫
“
嬋娟
(
せんけん
)” の例文
嬋娟
(
せんけん
)
たる花の
顔
(
かん
)
ばせ、耳の穴をくじりて一笑すれば天井から鼠が落ち、
鬢
(
びん
)
のほつれを掻き立てて
枕
(
まくら
)
のとがを
憾
(
うら
)
めば二階から人が落ちる。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
食えば飽満の美味、飲めば強烈な
薫酒
(
くんしゅ
)
、酔えば耳に
猥歌甘楽
(
わいかかんがく
)
、
醒
(
さ
)
むれば花鳥また
嬋娟
(
せんけん
)
の美女、——玄徳はかくて過ぎてゆく月日をわすれた。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見れば美しい
手弱女
(
たおやめ
)
で、髪豊に頸足白く、
嬋娟
(
せんけん
)
たる姿、﨟たける容貌、分けても大きく清らかの眼は、無限の愁いを含んでいて見る人の心を悩殺する。
高島異誌
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
春枝夫人
(
はるえふじん
)
の
嬋娟
(
せんけん
)
たる
姿
(
すがた
)
は
喩
(
たと
)
へば
電雷
(
でんらい
)
風雨
(
ふうう
)
の
空
(
そら
)
に
櫻花
(
わうくわ
)
一瓣
(
いちべん
)
のひら/\と
舞
(
ま
)
ふが
如
(
ごと
)
く、
一兵
(
いつぺい
)
時
(
とき
)
に
傷
(
きづゝ
)
き
倒
(
たを
)
れたるを
介抱
(
かいほう
)
せんとて、
優
(
やさ
)
しく
抱
(
いだ
)
き
上
(
あ
)
げたる
彼女
(
かのぢよ
)
の
雪
(
ゆき
)
の
腕
(
かひな
)
には
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
お前の話を黙って聞いていると、まるで
狐狸
(
こり
)
の
類
(
たぐ
)
いが一変して
嬋娟
(
せんけん
)
たる美女に
化
(
ば
)
けるのと同じように聞える。まさかお前は、金博士から
妖術
(
ようじゅつ
)
を教わってきたのではあるまい
人造人間戦車の機密:――金博士シリーズ・2――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
荘厳というべきか
窈窕
(
ようちょう
)
というか、
嬋娟
(
せんけん
)
というべきか夢幻というか! 亡国と
莫迦
(
ばか
)
にし古代文明国と
嘲
(
あざけ
)
り、物の数にも入れていなかった印度という六千年の伝統を持つ国に対して
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
そのおれば
嬋娟
(
せんけん
)
たる美姫を擁して
巍々
(
ぎぎ
)
たる楼閣に住し、出ずれば肥馬に
跨
(
またが
)
り、軽車に
駕
(
が
)
し、隷従雲のごときは全国人民をして風に
櫛
(
くしけず
)
り、雨に浴し、父子兄弟妻子をしてあいともに離散し
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
にがりに苦りて言葉なし。アアこの神経というものはおそろしきものなり。折にふれては鬼神
妖怪
(
ようかい
)
の
眼
(
ま
)
の当りにおそいきたるかとみれば。いつしか
嬋娟
(
せんけん
)
たるたおやめの
側
(
かたわら
)
に立つかと思うなど。
藪の鶯
(新字新仮名)
/
三宅花圃
(著)
而シテ鴨東脂粉ノ光彩目ヲ奪ヒ
嬋娟
(
せんけん
)
觀ル可キ者亦嵐光峰影ノ奇能ク之ガ助ヲ爲ス者ニ非ズ邪。然レバ則妓輩皆山靈ノ餘澤ヲ頼ンデ衣食スト謂フモ亦不可ナル無シ。余ハ東人也。西土ヲ喜バザル者。
十年振:一名京都紀行
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
ものうい
憊
(
つか
)
れの
翳
(
かげ
)
を、
嬋娟
(
せんけん
)
たる容姿のどこかに見せながら。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
嬋娟
(
せんけん
)
たる竜女が人を魅殺した話多きも尤もだ、竜宮に財多しというが転じて海に竜王住む故大海に無量の宝ありと『施設論』など仏書に多く見ゆ。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
嬋娟
(
せんけん
)
にして男まさりな
呉妹君
(
ごまいくん
)
といわれ、その
窈窕
(
ようちょう
)
たる武技も有名な夫人であったが、国外遠く嫁いで、母の危篤と聞いては、やはり弱い女に過ぎなかった。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『おや、もうお
片附
(
かたづき
)
になりましたの。』といつて
嬋娟
(
せんけん
)
たる
姿
(
すがた
)
は
急
(
いそ
)
ぎ
立
(
た
)
ち
迎
(
むか
)
へた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ビシニアあたりの生れもあり、
嬋娟
(
せんけん
)
たる白人の美女を奴隷として、これに食事や入浴の世話をさせたり、
外衣
(
トーガ
)
の折り目を付けさせたり、少し名のある貴族ならば、銘々三百人や四百人くらいの奴隷は
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
前は
嬋娟
(
せんけん
)
たる美女と見ゆれど、後は
凄愴
(
せいそう
)
たる骸骨で両肩なし、たまたま人に逢わば乞いてその家に伴れ行き
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
夫人は、
嬋娟
(
せんけん
)
たる美女であった。客を再拝して、
楚々
(
そそ
)
と、良人のかたわらに戻った。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嬋娟
(
せんけん
)
水を滴らんばかりの美女であった。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
駝象の大行列中に雄猴を
維
(
つな
)
いで
輿
(
こし
)
に載せ、頭に冠を戴かせ、輿側に人ありてこれを
扇
(
あお
)
ぎ、
炬火
(
きょか
)
晶燈見る人の眼を
眩
(
くら
)
ませ、花火を掲げ、
嬋娟
(
せんけん
)
たる妓女インドにありたけの音曲を尽し、舞踊、楽歌、放飲
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
三斎の屋敷の
花苑
(
はなぞの
)
には、四季折々の百花が
嬋娟
(
せんけん
)
と乱れ咲いた。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嬋娟
(
せんけん
)
たる
牡丹
(
ぼたん
)
の大輪が、とたんに花瓶の口にゆらゆら咲いた。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“嬋娟”の意味
《形容動詞》
容姿などが艶やかで美しいこと。
(出典:Wiktionary)
嬋
漢検1級
部首:⼥
15画
娟
漢検1級
部首:⼥
10画
“嬋娟”で始まる語句
嬋娟哥妓
嬋娟窈窕